REFERENCE

教科書の作成・教材の開発

教科書・参考図書・マニュアル・推薦図書

公益社団法人 全国柔道整復学校協会は、時代に即した柔道整復師の養成に必要な知識と技術を確保するため、教育に使用する教科書や参考図書を監修・編集・改訂し、また、教育に必要なマニュアルなどを作成、配布しています。

柔道整復学・実技編 改訂第2版

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

編集:(公社)全国柔道整復学校協会・教科書委員会

B5判・442頁 2012.12発行

ISBN978-4-524-25034-9

定価(本体7,000円+税)

柔道整復施術の根幹である整復法、固定法を軸に診察時に必要な知識をわかりやすい文章と豊富な図・写真で解説した教科書。今改訂では、全体的な内容の見直しに加え、臨床で遭遇することの多い20の損傷について、より詳細な解説と症例写真を加えた。また患者の来院から施術にいたるまでの考え方について解説が新たに加わり、より臨床に則した内容となっている。学生から現場の柔整師まで必携の一冊。

外科学概論 改訂第4版

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

編集:炭山 嘉伸

B5判・254頁 2012.4発行

ISBN978-4-524-26475-9

定価(本体5,700円+税)

柔道整復師国家試験出題基準に沿って、外科学の要点をわかりやすく整理したテキスト。総論では外科学の必要最小限の内容を平易に解説し、各論では代表的な疾患をあげて、写真・図・表を主体に簡潔に記述している。今改訂では外科学の進歩を取り入れるとともに内容をより精選した。

衛生学・公衆衛生学 改訂第6版

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

著 :鈴木 庄亮・小川 正行・横山 和仁・黒沢 美智子・竹内 一夫・谷川 武

B5判・294頁 2015.12発行

ISBN978-4-524-26198-7

定価(本体5,000円+税)

柔道整復師を目指す学生向けに、衛生学・公衆衛生学習得に必要な基礎知識を解説した教科書。今改訂では統計数値の更新と法規・基準・制度の改変を反映した記述の見直しを行った。さらに全国柔道整復学校協会加盟校からの要望を可能な限り取り入れ、わかりやすく利用しやすい教科書となった。

リハビリテーション医学 改訂第4版

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

編集:栢森 良二

B5判・276頁 2019.3発行

ISBN978-4-524-24123-1

定価(本体5,000円+税)

リハビリテーション医学の総論と各論を平易な文章と多数の図表でまとめたテキスト。今改訂では、柔道整復師がかかわることが多い疾患を中心に、その病態とアプローチについて解説した。また、国際生活機能分類(ICF)を用いた障害の捉え方の他、フレイルやロコモティブシンドロームと健康寿命との関係、高齢者をとりまく医療制度などについても解説を充実させた。

柔道整復師のための救急医学

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

編集:太田 祥一

B5判・326頁 2010.5発行

ISBN978-4-524-25098-1

定価(本体3,500円+税)

柔道整復師をめざす学生に必要な、救急医学・救急処置法の内容を一冊にまとめて詳説した、協会監修のサブテキスト。救急の現場で“何をするべきか、何ができるのか”正確な知識と対処法が習得できる内容となっている。また、実際の施術の現場で遭遇するケースを解説。広くコメディカル学生にも役立つ、救急医学のミニマム・エッセンシャルをまとめている。

柔道整復学・理論編 改訂第7版

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

編集:(公社)全国柔道整復学校協会・教育支援委員会教科書部会

B5判・502頁 2022.3発行

ISBN:978-4-524-23318-2

定価(本体7,200円+税)

柔道整復師養成教育の根幹となる教科書の改訂版。
今改訂では内容の再確認を行うとともに解説順を整理し、より使い勝手のよい教科書となった。

整形外科学 改訂第4版

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

編集:松下 隆・福林 徹・田渕 健一

B5判・294頁 2017.3発行

ISBN978-4-524-25944-1

定価(本体5,600円+税)

柔道整復師に要求される整形外科学の基本知識をまとめたわかりやすくかつ詳細なテキスト。2色の図表を用いたわかりやすい解説と、系統的に正しく理解できるような内容構成、現場で扱う整形外科疾患の充実した解説が好評。今改訂では統計データの更新のほか、他の柔道整復学校協会監修の教科書との用語統一を図り、より他科目と連動した学習が可能となった。

生理学 改訂第4版

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

編集:彼末一之

B5判・280頁 2020.3発行

ISBN978-4-524-24029-6

定価(本体6,000円+税)

柔道整復師養成課程向けに、生理学の知識を、理解を助ける豊富な図表を多用し、わかりやすく解説したテキスト。柔道整復師にとって必須である神経、筋の項目は十分に解説。よりやさしく理解しやすい内容とするために全面改訂を実施。また、柔道整復師養成カリキュラムの改正に伴い、高齢者及び競技者の生理学的特性・変化に関する項目を追加した。

包帯固定学 改訂第2版

監修:全国柔道整復学校協会

編集:全国柔道整復学校協会・教科書委員会

B5判・168頁 2014.12発行

ISBN978-4-524-26577-0

定価(定価:本体2,500円+税)

柔道整復師に必要な包帯の巻き方、ギプスやテーピングなどの固定法について、基本的な方法から部位別へと展開に沿って写真とシェーマを多用して詳説。「目で学ぶ」ことに重点を置いて編集されている。今改訂では、2色刷(一部4色刷)とし、視覚的に理解しやすくなるとともに重要ポイントをまとめた「メモ」が充実。

柔道整復師と機能訓練指導
- 機能訓練指導員養成テキスト -

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

編集:遠藤 英俊・細野 昇

B5判・252頁 2016.3発行

ISBN978-4-524-25759-1

定価(本体3,000円+税)

高齢社会を迎え、柔道整復師が機能訓練指導員として活躍するうえで必要な介護に関する知識、関連する諸制度や他職種とのかかわり、さらに機能訓練指導の流れや実際に提供する運動の要点について、豊富な図とわかりやすく平易な文章で解説。介護などの場面で活躍される先生方により執筆され、学生だけでなく現場の柔整師にとっても必要な知識が詰まった一冊。

医療の中の柔道整復

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

著:有沢 治

B5判・86頁 2019.3発行

ISBN978-4-524-24155-2

定価(本体2,300円+税)

2018年から開始された新しいカリキュラムに盛り込まれた「柔道整復術の適応」を教授する教科書。患者の病態を適正に把握するために柔道整復師に求められる知識をまとめている。病態の解説はもちろん、もし、そのまま放置してしまった場合に起こりうる可能性のある事項を列記。医療安全の観点からも、これからの柔道整復師にとってより求められるようになるであろう知識を得ることができる。

施術の適応と医用画像の理解

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

共著:細野 昇・川口 央修

B5判・152頁 2019.3発行

ISBN978-4-524-24155-2

定価(本体2,600円+税)

前半は柔道整復師が日常業務で患者を危険に曝さないために必要な能力を養うため、外傷に類似した症状を示す疾患の判別や外傷に潜んでいる危険な徴候を解説。後半は近年柔道整復の現場で利用されることが多くなってきている超音波画像診断装置の理解を念頭に様々な医用画像について解説。患者の利益に寄与するために、これからの柔道整復師に求められる知識を教授する一冊。

運動学 改定第3版

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

著 :齋藤 宏・鴨下 博

B5判・264頁 2012.2発行

ISBN978-4-263-24157-8

定価(本体 4,200円+税)

全国柔道整復学校協会監修の教科書。5年に1度改訂の「柔道整復師国家試験出題基準(平成22年版)」に準拠し、最新の医学知見に則った。また学校協会アンケートを踏まえて、柔道整復師として求められる必須の知識を網羅して改訂。最新の用語は「解剖学用語13版」に準拠。図表を2色刷とした。

病理学概論 改定第3版

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

著 :関根 一郎

B5判・204頁 2012.2発行

ISBN978-4-263-24158-5

定価(本体 3,800円+税)

(公社)全国柔道整復学校協会監修の教科書。5年に1度改訂の「柔道整復師国家試験出題基準(平成22年版)」に準拠し、最新の医学知見に則った。また学校協会アンケートを踏まえ、柔道整復師として求められる必須の知識を網羅して改訂。最新の用語は「解剖学用語13版」に準拠。図表を2色刷とした。

関係法規 2019年版

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

編著:前田 和彦

B5判・170頁 2019.2発行

ISBN978-4-263-24162-2

定価(本体 2,400円+税)

本書は(公社)全国柔道整復学校協会教科ガイドラインと国家試験出題基準に準拠した教科書である。柔道整復師として業務に従事するうえで理解しておくべき「柔道整復師法」と、その業務や医療従事者一般として必要な医事福祉法規について、最新の法改正にあわせて内容刷新し、わかりやすく解説。(巻末には関係法規を掲載)。

解剖学 改定第2版

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

編集:岸 清・石塚 寛

B5判・336頁 2008.3発行

ISBN978-4-263-24155-4

定価(本体 7,800円+税)

人体の構造と機能を臨床に結びつけて理解できるように編集した(公社)全国柔道整復学校協会教科ガイドライン、国試出題基準にもとづくテキスト。用語を改訂し解剖図を理解しやすいように全編を2色刷りとし柔道整復師業務に役立つよう特に運動系(骨・関節と靱帯・筋)に力点がおかれているのが特徴。

一般臨床医学 改定第3版

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

著 :奈良 信雄・稲瀬 直彦・金子 英司・佐藤 千史・宮崎 滋・頼 建光・山脇 正永・松本 哲哉・佐藤 和人

B5判・300頁 2013.3発行

ISBN978-4-263-24159-2

定価(本体 5,800円+税)

本書は(公社)全国柔道整復学校協会教科ガイドラインと国家試験出題基準に準拠した教科書である。最新の医学的知見を鑑み、柔道整復師に必要な疾患を広く解説。

競技者の外傷予防

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

著 :小林 直行・髙橋 康輝

B5判・144頁 2013.3発行

ISBN978-4-263-24160-8

定価(本体 2,600円+税)

厚生労働省「柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会」で追加カリキュラムとなった専門分野「競技者の外傷予防技術」についての学校協会監修の新テキスト。運動生理学の概要を学んだうえで、アスリートへのマッサージ・テーピングの基本や、筋力トレーニングとストレッチングの実際など、柔道整復師による外傷予防の技術について、写真をふんだんに使って紹介。教科書としてだけでなく、アスリートへの施術に関心のある柔道整復師にもお勧め。

社会保障制度と柔道整復師の職業倫理

監修:(公社)全国柔道整復学校協会

共著:川渕 孝一・長尾 淳彦・前田 和彦

B5判・84頁 2019.3発行

ISBN978-4-263-24161-5

定価(本体 2,000円+税)

平成30年から実施されている柔道整復師養成新カリキュラムの専門基礎分野「社会保障制度」と「職業倫理」に対応した学校協会監修教科書。「わが国の社会保障」「柔道整復師業務における療養費」「職業倫理」の3編で構成。社会保障制度・医療財政から柔整療養費、現場で求められる患者対応の実際までを解説。柔道整復師を目指す学生に必須の社会保障制度と職業倫理の知識をわかりやすく解説した卒後にも役立つ新テキスト!

Qシリーズ新解剖学 第6版

監修:加藤 征

B5判・280頁 2011.3発行

ISBN 978-4-7849-1173-8

定価(本体3,500円+税)

信頼のロングセラー!解剖学の要点を、カラー図版340点とともにコンパクトにまとめた参考書。イラストを見ているだけで、各部の名称と意味がスラスラ頭に入ります。ゼッタイ覚えなければならない用語は、色刷りになっています。巻末には主要な骨と動脈の名称、骨格筋の起始・停止などをまとめた一覧表を付けました。

柔道整復師のための医療安全学

著 :櫻井 康司・田渕 健一・成瀬 秀夫・山口 竜彦

B5判・162頁 2011.4発行

ISBN 978-4-524-26378-3

定価(本体2,800円+税)

柔道整復師が知っておくべき医療安全管理の知識をまとめたテキスト。医療安全の概要と各部位の診断時のリスクマネージメントを軸として、柔整師を志す学生の指導にあたる先生方により解説。多くの図・写真を盛り込み、さらには実際に起きた訴訟、裁判の事例を紹介するなど、読者の理解・興味に充分に配慮した。学生のみならず、臨床にあたる柔整師にも必携となる一冊!

柔道整復師 臨床(地)実習マニュアル

監修:(社)全国柔道整復学校協会 臨床実習ガイドライン検討委員会

実際の現場での学びを通し、養成施設での学習では修得し得ない医療者としての態度を身につけ、患者を正しく理解して、柔道整復術に対するニーズを把握し、柔道整復師がどうあるべきかを考察するとともに、臨床における実践的能力及び保険の仕組の知識を修得し、医療人としての責任と自覚を養うことを目的とする。外部での臨床実習における教育の指針である。

詳細はこちら(会員校のみ閲覧可能)

柔道整復学・理論編 改訂第6版

第I章 概説

  1. 柔道整復術および柔道整復師の沿革
    • 沿革
    • 柔道整復師と柔道
    • 柔道整復術の現代的意義
  2. 業務範囲とその心得および柔道整復師倫理綱領
    • 業務範囲と心得
    • 柔道整復師倫理綱領

第II章 総論

  1. 人体に加わる力
  2. 損傷時に加わる力
    • 損傷時の力
    • 損傷時の力
    • 損傷時の力に影響を与える要素
  3. 痛みの基礎
    • 痛みの種類
    • 痛みのメカニズム(運動器)
    • 急性痛と慢性痛
    • 痛みの評価
    • 痛みへのアプローチ
  4. 各組織の損傷
    1. 骨の損傷
      • 骨の形態と機能
      • 骨損傷の概説
      • 骨折の分類
      • 骨折の症状
      • 骨折の合併症
      • 小児骨折、高齢者骨折
      • 骨折の癒合日数
      • 骨折の治癒経過
      • 骨折の予後
      • 骨折の治癒に影響を与える因子
    2. 関節の損傷(捻挫、脱臼)
      • 関節の構造と機能
      • 関節損傷の概説
      • 関節損傷の分類
      • 損傷される組織
      • 鑑別診断を要する類症
      • 関節構成組織損傷
      • 脱臼(腱脱臼を除く)
    3. 筋の損傷
      • 筋の構造と機能
      • 筋損傷の概説
      • 筋損傷の分類
      • 筋損傷の症状
      • 筋損傷の治癒機序
      • 筋損傷の予後
    4. 腱の損傷
      • 腱の構造と機能
      • 腱損傷の概説
      • 腱損傷の分類
      • 腱損傷の症状
      • 腱損傷の治癒機序
    5. 末梢神経の損傷
      • 神経の構造と機能
      • 神経損傷の概説
      • 神経損傷の分類
      • 末梢神経損傷の症状
      • 末梢神経損傷の治癒過程
  5. 診察
    • 診察時の注意点
    • 診察手順の概説
    • 診察の時期による分類
    • 治療計画の作成
    • 施術録の扱いと記載
  6. 治療法
    1. 整復法
      • 徒手整復施行時の配慮
      • 骨折の整復法
      • 脱臼の整復法
      • 徒手整復後の確認と配慮
      • 軟部組織損傷の初期処置
    2. 固定法
      • 固定施行時の配慮
      • 固定後の配慮
    3. 後療法
      • 用量
      • 患者の準備
      • 手技療法
      • 運動療法
      • 物理療法
    4. 指導管理
      • 患者とその環境の把握
      • 患者の環境に対する指導管理
      • 自己管理に対する指導(予防の認識と指導管理)
  7. 外傷予防
    1. 第一段階
      • 運動機能向上と教育活動
      • 特異的予防
    2. 第二段階:早期発見、早期治療
    3. 第三段階

第III章 各論

  1. 頭部、体幹
    1. 頭部、顔面の損傷
      • 頭部、顔面部の解剖と機能
      • 頭部、顔面部の骨折
      • 顎関節脱臼
      • 頭部、顔面部の軟部組織損傷
    2. 頸部の損傷
      • 頸椎の解剖と機能
      • 頸椎の骨折
      • 頸椎脱臼
      • 頸部の軟部組織損傷
      • 注意すべき疾患
    3. 胸・背部の損傷
      • 胸・背部の解剖と機能
      • 胸部の骨折
      • 胸椎の骨折
      • 胸椎の脱臼
      • 胸・背部の軟部組織損傷
      • その他の疾患
      • 注意すべき疾患
    4. 腰部の損傷
      • 腰部、仙骨部の解剖と機能
      • 腰椎の骨折
      • 腰椎の脱臼
      • 腰部の軟部組織損傷
      • その他の疾患
      • 注意すべき疾患
  2. 上肢
    1. 鎖骨部の損傷
      • 機能と解剖
      • 鎖骨骨折
      • 鎖骨の脱臼
      • 注意すべき疾患
    2. 肩関節部の損傷
      • 解剖と機能
      • 肩甲骨の骨折
      • 上腕骨近位部の骨折
      • 肩関節脱臼
      • 肩関節部の軟部組織損傷
      • 注意すべき疾患
    3. 上腕部の損傷
      • 解剖と機能
      • 上腕骨骨幹部骨折
      • 上腕部の軟部組織損傷
      • 注意すべき疾患
    4. 肘関節部の損傷
      • 解剖と機能
      • 上腕骨遠位部の骨折
      • 前腕骨近位部の骨折
      • 肘関節の脱臼
      • 肘関節部の軟部組織損傷
      • 注意すべき疾患
    5. 前腕部の損傷
      • 解剖と機能
      • 前腕骨骨幹部骨折
      • 前腕部の軟部組織損傷
    6. 手関節部の損傷
      • 解剖と機能
      • 前腕骨遠位端部骨折
      • 手根骨部の骨折
      • 手関節部の脱臼
      • 手関節部の軟部組織損傷
      • 注意すべき疾患
    7. 手・指部の損傷
      • 解剖と機能
      • 中手骨部の骨折
      • 手根中手関節の脱臼
      • 指骨の骨折
      • 中手指節関節、指節間関節の脱臼
      • 手部、指部の軟部組織損傷
      • 注意すべき疾患
  3. 下肢
    1. 骨盤部の損傷
      • 解剖と機能
      • 骨盤骨骨折
      • 注意すべき疾患
    2. 股関節部の損傷
      • 解剖と機能
      • 大腿骨近位部の骨折
      • 股関節脱臼
      • 股関節の軟部組織損傷
      • 注意すべき疾患
    3. 大腿部の損傷
      • 解剖と機能
      • 大腿骨幹部の骨折
      • 大腿部の軟部組織損傷
      • 注意すべき疾患
    4. 膝関節部の損傷
      • 解剖と機能
      • 大腿骨遠位部の骨折
      • 下腿骨近位部の骨折
      • 膝関節脱臼(それに伴う複合靱帯損傷)
      • 膝蓋骨の骨折
      • 膝蓋骨脱臼
      • 膝関節部の軟部組織損傷
      • 注意すべき疾患
    5. 下腿部の損傷
      • 解剖と機能
      • 下腿骨幹部の骨折
      • 下腿部の軟部組織損傷
      • 注意すべき疾患
    6. 足関節部の損傷
      • 解剖と機能
      • 下腿骨遠位部の骨折
      • 足根骨部の骨折
      • 足関節部の脱臼
      • 足関節部の軟部組織損傷
      • 注意すべき疾患
    7. 足・趾部の損傷
      • 解剖と機能
      • 足根骨の骨折
      • 中足骨の骨折
      • 趾骨の骨折
      • 足根部の脱臼と軟部組織損傷
      • 中足趾節関節、趾節間関節の脱臼
      • 足・趾部の軟部組織損傷
      • 注意すべき疾患

参考文献

付録
 関節可動域表示ならびに測定法
 臨床徒手検査法
 骨端核の発生と閉鎖改訂第6版の序文
索引

序文

平成30年度から約18年振りの柔道整復師養成施設ガイドラインの大改訂が行われることになり、職業倫理、社会保障制度(保険の仕組み)、高齢者や競技者の生理学的特徴や外傷予防、柔道整復術の適応、外傷の保存療法、物理療法の取り扱い、臨床実習教育の充実を骨子とする、新しい時代に向けてのカリキュラムが始まる運びとなった。昭和39年9月に、初めて柔道整復術の教科書として発行された『柔道整復理論』の書を基に、昭和63年に国家試験にあわせて出版されたのが本書の初版である。平成21年4月に改訂第5版を出し、6年毎の改訂を目指していたが、折しもカリキュラムの大改訂が行われることになりそれにあわせて完成したのがこの改訂第6版である。
今回、こういった社会的背景の中、柔道整復師が最も知らなければいけない『柔道整復学・理論編』の教科書の改訂が行われ、本協会会員校から集った数多くの教科書委員会のメンバーを中心に、執筆の労を取っていただいたことは感謝の念に堪えない。
カリキュラム改訂の検討会では、国民福祉の向上のため、柔道整復術の適応や医療安全に資する意味から職業倫理や社会保障制度、物理療法の取り扱い、外傷予防についての内容を深めることが求められ、それを含んだ新たな指導ガイドラインに沿った内容となったことは、学生諸君にとって、柔道整復術のバイブルともなる教科書が発刊されることは歓迎すべきことと、心から喜ぶ次第である。柔道整復術が国民福祉のための社会的要請に応え、進歩していくことは必定であり、柔整教育に対しての各学校の絶大なる熱意の賜物である教科書をさらにより良いものに仕上げておくことを心から念ずる次第である。 改訂にあたり、貴重なご意見をいただいた会員校並びに教科書委員会諸氏に感謝の意を表し、南江堂出版部関係各位に謝辞を申し上げ、監修の言葉にさせていただきます。

平成30年1月
公益社団法人全国柔道整復学校協会
会長 碓井 貞成

整形外科学 改訂第4版

整形外科とは

  • 整形外科の意義と内容
  • 整形外科の歴史
  1. 運動器の基礎知識
    1. 骨の基礎知識
    2. 関節の基礎知識
    3. 筋・靱帯・腱の基礎知識
    4. 運動器の科学
  2. 整形外科診察法
    1. 姿勢
    2. 体幹と四肢のバランス
    3. 上・下肢長、周径
    4. 跛行(異常歩行)
    5. 関節拘縮と強直
    6. 徒手筋力テスト
    7. 感覚の診断
    8. 反射
  3. 整形外科検査法
    • 検査のすすめ方
    • 画像検査
      1. X線撮影
      2. コンピュータ断層撮影(CT)
      3. 磁気共鳴画像(MRI)
      4. 関節造影検査
      5. 血管造影検査
      6. 核医学検査
      7. 画像検査の選択
    • 骨密度測定
      1. 方法
      2. 結果の評価法
      3. 診断的意義
    • 電気生理学的検査
      1. 筋電図検査(EMG)
      2. 神経伝導速度検査
    • 関節鏡検査
    • 超音波検査
      1. 超音波診断装置の概略
      2. 整形外科領域での利用
  4. 整形外科的治療法
    • 保存療法
      1. 薬物療法
      2. 徒手整復法
      3. 整形外科的包帯法
      4. 牽引療法
    • 観血的治療
      1. 皮膚の手術
      2. 関節の手術
      3. 腱の手術
      4. 神経の手術
      5. 骨の手術
  5. 骨・関節損傷総論
    • 骨折総論
      1. 骨折の定義と分類
      2. 骨折の症状と診断
      3. 骨折の治癒
      4. 骨折の治療
      5. 小児骨折の特徴
      6. 開放骨折
      7. 疲労骨折と病的骨折
      8. 骨折の合併症
    • 関節の損傷
      1. 捻挫と靱帯損傷
      2. 外傷性脱臼
      3. 繰り返しの脱臼
      4. 病的脱臼
  6. スポーツ整形外科総論
    1. スポーツ整形外科の位置付け
    2. スポーツ活動中の怪我
    3. 代表的なスポーツ種目と特徴的な怪我
    4. 学校体育での重症外傷について
    5. スポーツ怪我の特殊性
    6. 診療と治療上の基本
  7. リハビリテーション総論
    • 変形(拘縮)のリハビリテーション
    • 術後のリハビリテーション
    • 上肢のリハビリテーション
    • スポーツリハビリテーション
  8. 疾患別各論
    • 感染性疾患
      1. 急性化膿性骨髄炎
      2. 慢性骨髄炎
      3. ブロディ骨膿瘍
      4. 骨関節結核
      5. 化膿性関節炎
    • 骨および軟部腫瘍
      1. 骨腫瘍
        1. 骨腫瘍の診断
        2. 悪性骨腫瘍
        3. 良性骨腫瘍
      2. 軟部腫瘍
        1. 悪性軟部腫瘍
        2. 良性軟部腫瘍
    • 非感染性軟部・骨関節疾患
      1. 変形性関節症
      2. 関節リウマチ・悪性関節リウマチ
      3. 痛風
      4. 偽性痛風と石灰沈着性滑液包炎・石灰沈着性腱炎
      5. 血友病性関節症
      6. 離断性骨軟骨炎
      7. 関節遊離体/関節ねずみ
      8. その他の関節炎
      9. 骨粗鬆症
    • 全身性の骨・軟部疾患
      1. 先天性骨系統疾患
      2. 多発性神経線維腫症(フォン・レックリングハウゼン病)
      3. くる病
      4. 巨人症
      5. 成長ホルモン分泌不全性低身長症(下垂体性小人症)
    • 骨端症
      1. 骨端症とは
      2. ペルテス病
      3. オズグッド・シュラッター病
      4. ブラント病
      5. 踵骨骨端症(セーバー病)
      6. 月状骨軟化症(キーンベック病)
      7. ケーラー病(第1ケーラー病)
      8. フライバーグ病(第2ケーラー病)
    • 四肢循環障害
      1. 末梢動脈疾患
      2. レイノー症候群
      3. 深部静脈血栓症
      4. 静脈瘤
    • 神経・筋疾患
      1. 神経麻痺と絞扼性神経障害
        • 上肢の神経麻痺と絞扼性神経障害
        • 下肢の神経麻痺と絞扼性神経障害
      2. 腕神経叢損傷・分娩麻痺
        1. 腕神経叢の解剖
        2. 腕神経叢損傷
        3. 分娩麻痺
      3. 全身性神経・筋疾患
        1. 脳性麻痺
        2. 脊髄性小児麻痺(ポリオ)(ハイネ・メジン病)
        3. 脊髄空洞症
        4. 脊髄癆
        5. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
        6. 神経性進行性筋萎縮症(シャルコー・マリー・トゥース病)
        7. 若年性一側性上肢筋萎縮症(平山病)
        8. 進行性筋ジストロフィー
      4. 脊髄腫瘍
      5. 脊髄損傷(脊損)
  9. 身体部位別各論
    • 体幹
      1. 頸部
        1. 頸部の機能解剖
        2. 頸部の脱臼骨折の手術
        3. 頸部の損傷
      2. 胸部
        1. 胸部の機能解剖
        2. 胸部の脱臼骨折の手術
        3. 胸部の損傷
      3. 腰部
        1. 腰部の機能解剖
        2. 腰部の脱臼骨折の手術
        3. 腰部の損傷
    • 肩甲帯および上肢の疾患
      1. 肩・肩甲帯
        1. 肩関節・肩甲帯の機能解剖
        2. 肩関節・肩甲帯の骨折の手術
        3. 肩関節・肩甲帯の損傷
      2. 上腕・肘関節
        1. 上腕・肘関節の機能解剖
        2. 上腕・肘関節の骨折の手術
        3. 骨軟骨障害
        4. 靱帯の損傷
        5. 肘内障
        6. 筋腱の損傷
      3. 前腕
        1. 前腕の機能解剖
        2. 前腕の骨折の手術
        3. 前腕の損傷
      4. 手関節
        1. 手関節の機能解剖
        2. 手関節の骨折の手術
        3. 骨関節の疾患
        4. 腱鞘炎と腱断裂
      5. 手・手指
        1. 手・手指の機能解剖
        2. 手・手指の骨折の手術
        3. 手指の変形
        4. 腱鞘炎と腱断裂
        5. 拘縮
        6. 手指の先天異常
    • 骨盤および下肢の疾患
      1. 骨盤・股関節
        1. 骨盤・股関節の機能解剖
        2. 骨盤・股関節の骨折の手術
        3. 骨盤・股関節の損傷
      2. 大腿・膝関節
        1. 大腿・膝の機能解剖
        2. 大腿・膝関節の骨折の手術
        3. 大腿・膝関節の損傷
      3. 下腿・足関節
        1. 下腿・足関節の機能解剖
        2. 下腿・足関節の骨折の手術
        3. 下腿・足関節の損傷
      4. 足・足趾
        1. 足・足趾の機能解剖
        2. 足・足趾の骨折の手術
        3. 足・足趾の疾患

参考文献

索引

序文

本書は、柔道整復学校での整形外科学の教科書として作成したものである。初版は帝京大学整形外科学講座の初代主任教授である阿部 光俊先生が1998年に執筆された。第3版は各分野の専門家による分担執筆とし、全面的な改訂を行った。今回の改訂第4版では、前回とほぼ同じ著者に分担執筆していただき内容をupdateするとともに、養成課程の学生が目にする機会のある本書以外の整形外科書との解説内容の整合性を図った。また、理解を助けるために、必要に応じて図の追加や修正を行った。
 柔道整復学は、整形外科学のうち外傷学の保存治療だけを抜き出したものに近く、その部分だけを熟知していればいいと考えることもできる。しかし、柔道整復師は整形外科医と同様に、機能を大切にしなければいけない「運動器」の治療を行なうのであるから、運動器全体の知識すなわち整形外科学全般についても基本的な知識を持っている必要があると考える。本書では、手術療法や稀な疾患など整形外科専門医を目指す医師にしか必要ないものは除き、基本的な項目だけを記載したつもりである。柔道整復学による治療が、運動器の治療全体においてどのような位置付けにあるかを柔道整復師を目指す学生がこの書によって正確に理解し、柔道整復師と整形外科医とが連携して運動器外傷の治療に当たれる日が来ることを切に願っている。

平成29年2月
帝京大学名誉教授
松下 隆

柔道整復師と機能訓練指導
- 機能訓練指導員養成テキスト -

  1. 柔道整復師と介護保険
    • 介護保険の目的と理念
    • 介護保険制度における柔道整復師
      1. 柔道整復師の業務
      2. 柔道整復師に求められるスキル
      3. 柔道整復師の職務
  2. 発達と老化の理解
    • 人間の成長と発達の基礎的理解
      1. 発達
      2. 学習
    • 老年期の発達と成熟
      1. ストレーラーの老化の基準
      2. 老化の原因とメカニズム
      3. エイジズム
      4. 老年期の発達課題
    • 老化に伴う心と身体の変化と日常生活
      1. サルコペニアとフレイル
      2. 生活不活発病
      3. 運動機能低下
      4. 生理機能低下
    • エイジング理論
      1. 老化
      2. 老化の心理的影響
    • 高齢者と健康
      1. 健康寿命
      2. 高齢者にみられる疾患の理解
      3. 高齢者の三大生活習慣病
      4. その他の高齢者疾患
      5. 高齢者医療に関する知識の必要性
      6. 薬物療法のポイント
  3. 認知症の理解
    • 認知症の定義
    • 認知症を取り巻く状況
      1. 認知症の歴史
      2. 認知症に関する行政の方針と施策
      3. オレンジプランと新オレンジプラン
      4. 認知症のケアパスについて
      5. 認知症高齢者の実態
      6. 認知症高齢者のケア
    • 医学的側面からみた認知症の基礎
      1. 認知症の症状
      2. 認知症の原因疾患
      3. 認知症の簡易検査
      4. 認知症の重度評価
    • 認知症に伴う心と体の変化と日常生活
      1. 中核症状
      2. 周辺症状
      3. 認知症介護の環境
    • 連携と協働
    • 家族への支援
      1. レスパイトケア
      2. ピア・カウンセリング
    • 認知症予防
      1. 認知症予防のための疾病管理
      2. 認知症予防について
      3. コグニサイズ
  4. 介護保険制度
    • 介護保険
    • 要介護度
      1. 要介護者
      2. 要支援者
      3. 非該当者
    • 要介護認定
      1. 要介護認定
    • 介護保険の給付
    • 介護サービスの利用
    • 介護サービスの受給パターン
      1. 居宅サービスと施設サービス
      2. 医療系サービスと福祉系サービス
      3. 居宅介護支援
    • 介護サービス事業所
      1. 居宅系事業所
      2. 施設
    • 介護関連職種
      1. 介護支援専門員(ケアマネージャー)
      2. 介護福祉士
      3. 社会福祉士
      4. 訪問介護員(ホームヘルパー)
      5. 看護師
      6. その他の介護関連職種
    • 居宅介護サービスの受給
    • 施設サービスの受給
    • 地域包括ケアシステム
    • 医療介護総合確保法による今後の予想される変化
  5. 介護の過程
    • 介護過程の意義
    • 介護過程
      1. 情報収集
      2. アセスメント(課題分析)
      3. 課題・目標の設定
      4. 個別援助計画の立案
      5. サービスの実施
      6. モニタリングおよび評価
    • 情報収集と課題の優先順位
      1. 情報収集の方法
      2. 課題の優先順位
    • 介護過程の実践的展開
      1. ケアマネジメント
      2. ケアプラン
      3. サービス提供
      4. モニタリング
      5. 評価
      6. サービスの終結
  6. 高齢者介護とICF
    • 高齢者介護
      1. 高齢者介護の目標
      2. QOLの向上
      3. ノーマライゼーション
      4. 高齢者介護の原則
    • ICF
      1. 成立過程
      2. ICFの特徴
      3. ICFの活用
      4. ICIDHとICF
      5. ICFの特性
      6. ICFの構成要素
    • リハビリテーションとICF
      1. リハビリテーション医学
      2. 臨床的活用
    • 機能訓練とICF
      1. 目標指向型機能訓練
      2. 目標指向型機能訓練の特徴
      3. 目標指向的アプローチ
      4. 生活行為の評価
  7. 介護予防と生活機能の向上
    • 介護予防の問題点と対策
    • 運動器機能の向上と健康寿命の延伸
      1. 「長寿」から「元気で長生き」へ
      2. 機能低下に対する運動の効果
      3. 運動器の機能向上訓練が目指すべき基本的考え方
      4. 健康長寿のための生活機能低下予防
    • 生活機能低下予防での介入
      1. 個別の評価に基づく包括的な介入
      2. 地域の高齢者生活支援
    • 介入研究の結果
      1. 運動器の機能向上プログラムの効果に関する総合的評価・分析
      2. 地域でのサービスに関する評価
    • これからの介護予防の考え方
  8. 介護予防・日常生活支援総合事業
    • 介護予防・日常生活支援総合事業の趣旨
      1. 基本方針
    • 生活支援サービスの充実
    • 総合事業を構成する各事業の内容および対象者
      1. 介護予防・生活支援サービス事業
      2. 一般介護予防事業
  9. ロコモティブシンドローム
    • 原因
      1. 運動器自体の疾患(筋骨格運動器系)
      2. 加齢による運動器機能不全
    • 「寝たきり」や「要介護」の主要な原因
    • ロコモティブシンドロームと運動器不安定症との相違
    • ロコチェック(ロコモーションチェック)
    • ロコトレ(ロコモーショントレーニング)
      1. 目的
      2. 方法
    • 転倒予防
      1. 転倒
      2. 転倒予防の介入とその効果
      3. 転倒・骨折の要因
      4. 転倒予防法
      5. 日常の歩行
  10. 高齢者自立支援の理解
    • ポジショニングとシーティング
      1. ポジショニング
      2. シーティング
    • 口腔ケア
      1. 口腔のもつ機能
      2. 摂食・嚥下機能障害がもたらすもの
      3. 軽度介護者への口腔ケアの重要性
      4. 口腔体操(口の動き)
    • 栄養改善
      1. 「栄養改善」支援のねらい
      2. 高齢者にとっての「食べること」の意義
      3. サービス提供の実際
    • 閉じこもり予防
      1. サービス提供の実際
      2. 同居家族への理解、協力のよびかけ
    • 認知症のある利用者の支援
      1. 物忘れ
      2. 被害妄想
      3. 見当識障害
      4. 人物誤認
      5. 異食
      6. 徘徊
      7. 幻覚
      8. 人格変化
      9. 不潔行為
      10. 夜間せん妄
      11. 性的行動
  11. 機能訓練指導員と機能訓練
    • 機能訓練指導員
    • 介護予防・機能訓練指導員認定柔道整復師
    • リハビリテーションと機能訓練との相違
      1. リハビリテーションと機能訓練
      2. 柔道整復師が行う機能訓練指導の特性
    • 「機能訓練」の対象となる「障害」の捉え方
      1. WHOの障害に関する分類
      2. 「機能訓練」の「機能」の捉え方
      3. 「活動制限(能力障害)」の構造
      4. 「参加制約(社会的不利)」の構造
    • 機能訓練指導員の業務
      1. 通所介護でのサービス実施までの手順
      2. 通所介護事業所内でのサービス実施手順
    • 機能訓練指導とケアカンファレンス(サービス担当者会議)
      1. ケアカンファレンスの目的
      2. ケアカンファレンスの中心的な議題
      3. ケアカンファレンスの開催手順
      4. ケアカンファレンスの協議事項の例
    • 機能訓練の評価
      1. 評価表で考慮すべき事項
      2. 疼痛・姿勢バランスの評価
    • 個別機能訓練実施計画書
      1. 基本方針
      2. 本人の希望・家族の希望
      3. リスク
      4. 自宅訓練の計画
      5. 機能訓練終了の目安・時期
      6. 参加=主目標
      7. 活動=すべて実行状況
      8. 心身機能・構造
      9. その他
    • 機能訓練指導員の保持すべき知識・能力
      1. 利用者像の理解
      2. 機能訓練指導員に必要な能力
      3. 「寝たきり」か「寝かせきり」か
      4. 可逆的要素のチェック
      5. 危機管理
      6. 利用者・家族のモチベーション
      7. デマンドとニーズ
      8. 拘縮のある利用者の機能訓練
      9. 疾患別の問題点の把握
      10. 感染症に対する対応
    • 福祉用具の知識
      1. 福祉用具の使用
      2. 車椅子(自走用標準型車椅子・普通型電動車椅子・介助用標準型車椅子)
      3. 特殊寝台
      4. 歩行補助用具
      5. 移動用リフト
      6. ポータブルトイレ
  12. 機能訓練で提供する運動と要点
    • 機能訓練の手順
      1. 事前アセスメント
      2. 個別サービス計画の作成
      3. プログラムの実施
      4. 事後アセスメント
    • 器具を用いない運動
      1. 背臥位で行う軽運動
      2. 運動開始前の予備運動
      3. 立位で行う上肢・体幹のストレッチング
      4. 立位で行う下肢のストレッチング
      5. 床上で行う上肢・体幹のストレッチング
      6. 上肢・体幹の筋力を向上させる運動
      7. 椅子を使って腹筋、腸腰筋、下肢前面の筋力を強化する運動
      8. 立位で腹筋、腸腰筋、下肢前面の筋力を強化する運動
    • 簡単な器具を用いて行う運動
      1. 運動に用いる器具
      2. ボールを使った運動
      3. チューブ(ゴムバンド・セラバンド)を使う上肢・体幹の筋力向上運動
      4. チューブ(ゴムバンド・セラバンド)を使う下肢の筋力向上運動
      5. プラスチックアレイを使った運動
      6. ポール(棒)を用いた肩の運動
      7. バランスボードを用いた運動
    • 股関節の運動能力を高める運動
    • 身体各部の運動
      1. 首・肩の運動
      2. 手・指の運動
      3. 背部・腰部の運動
      4. 下肢の運動
      5. 腸腰筋・腹筋の運動
      6. 足部の運動
    • 運動メニューの例
      1. 腰痛予防・改善を目的とした運動
      2. 膝痛予防・改善を目的とした運動
    • 運動プログラムの例
      1. 訓練期間1クール(3ヵ月間・12回)の構成例
      2. 1回の訓練内容の構成例
      3. 1ヵ月目の運動プログラムの構成例
      4. 2ヵ月目以降の運動プログラムの構成例
      5. 自宅での宿題運動プログラムの構成例
      6. 自宅での宿題運動プログラムの構成例

索引

序文

柔道整復師は、医療制度はもとより、介護保険制度においても避けて通れないものとなっている。介護支援専門員や介護サービスとの連携や運営においても深い関係が構築されてきている。特に介護予防における機能訓練指導を担当することも制度上可能であり、柔道整復師は医療に留まらず、今後はますます介護予防や自立支援にかかわることが大きくなるものと考えられる。要介護者等に対する重度化の防止または改善、非該当者の生活機能の維持や向上を目指すことが求められる。その遂行には柔道整復師が高齢者の心理、加齢に伴う身体機能の変化、フレイルやサルコペニア、高齢者特有の疾病や症状、認知症の理解など高齢者介護に必要な知識を身に付け、新しい知識をベースに本来の柔道整復師の技術を適用することが必要である。
 介護保険制度の見直しが行われ、介護予防事業は介護保険事業から地域支援事業へと位置づけられた。これにより機能訓練は介護保険事業から切り離されるが、それでも地域の虚弱高齢者には必要なサービスである。機能訓練はますます重要なものとなり、介護予防の質と量を支える事業となる。柔道整復師が機能訓練を行う場合には、普段の知識や経験をもとに、適切で丁寧な指導が重要である。その一方で、これらの事業の運営委託は地方自治体、広域連合に任せられるため、より地域の自主性がみられる。本書を利用し、柔道整復師が全国共通の方法で機能訓練を適切に運営することで、地域の信頼を得て、機能訓練事業が拡大されることを期待したい。

2016年2月
遠藤 英俊

衛生学・公衆衛生学 改訂第6版

  1. 衛生学・公衆衛生学の歴史と公衆衛生活動
    • 衛生学・公衆衛生学の歴史
    • 公衆衛生活動
      1. 人口統計および保健衛生統計
      2. 健康教育
      3. 試験検査と環境保健
      4. 保健福祉サービスおよび保健福祉事業
      5. 保健医療計画と行政
      6. 公衆衛生活動の分類
  2. 健康の概念
    • 健康の語源と理解
    • 健康を維持するうえでの生活の役割
    • 慢性疾患と生活
      1. 生活環境
      2. 食物と食事
      3. アルコール性飲料
      4. 喫煙
      5. 運動
      6. 睡眠
    • 健康の測定
      1. 人口統計
      2. 健康水準
      3. 健康指標
  3. 疾病予防と健康管理
    • 疾病の自然史と予防
    • 病因と危険因子
    • 疾病予防の段階
      1. 一次予防
      2. 二次予防:早期発見と早期治療
      3. 三次予防
    • 加齢・生活習慣と疾病
    • 健康管理のスペクトラムと活動の構成
    • 集団検診
    • 健康管理の技法
    • 健康管理の今後
  4. 感染症の予防
    • 感染症とは
      1. 感染と発病
      2. 感染症成立の条件
      3. ウイルス感染症
      4. 細菌感染症
      5. その他の感染症
      6. 院内感染
      7. 最近の感染症の動向
    • 感染症の予防対策
      1. 感染症予防の原則
      2. 感染源対策
      3. 感染経路対策
      4. 感受性宿主対策
      5. 予防接種
  5. 消毒
    • 消毒とは
      1. 消毒の意義
      2. 消毒法の目的による分類
      3. 消毒法の条件
      4. 消毒実施上の注意
      5. 微生物の種類と消毒に対する強さ
    • 消毒の種類と方法
      1. 理学的消毒法
      2. 化学的消毒法
    • 消毒法の応用
      1. 手指の消毒法
      2. 皮膚の消毒法
      3. 施術における消毒
      4. 水の消毒
      5. 院内感染対策と消毒(感染症の予防)
  6. 環境衛生(環境保健)
    • 環境とは
      1. 非生物的環境(無機的環境)
      2. 生物的環境(有機的環境)
      3. 人工的環境
    • 人間(主体)−環境系
    • 生体における量−影響関係
    • 環境問題
      1. 世界人口の急増
      2. 地球環境の温暖化
      3. 再生不能な資源の枯渇
      4. 熱帯雨林の消失
      5. 生物種の減少(生物多様性の保全対策)
      6. 砂漠化
      7. 酸性雨
      8. フロンによるオゾン層の破壊
    • 環境の把握
    • 環境の評価
    • 物理的環境要因
      1. 気温、湿度、気流、輻射熱
      2. 気候−気候と疾病
      3. 騒音
      4. 電離放射線
    • 化学的環境要因
      1. 化学物質に対する考え方
      2. 化学的環境要因
      3. 喫煙と健康
    • 生物的環境要因
    • 公害
    • 空気の衛生と大気汚染
    • 環境のアセスメントとモニタリング
    • 環境基準とその設定
    • 環境政策と環境行政
    • 地球環境の管理
    • 最近の環境問題
  7. 生活環境・食品衛生活動
    • 水の衛生と水質汚濁
      1. 上水
      2. 下水
      3. 水質汚濁
    • 衣服
      1. 衣服の目的と求められる質
      2. 衣料用繊維の性質と皮膚の衛生
      3. 繊維の加工剤の皮膚への影響
    • 住居
      1. 健康な住居の原則
      2. 屋内の空気汚染による健康影響
      3. 住居内のカビ、害虫、ネズミと健康被害
      4. 住宅のバリアフリー化
    • 食品
      1. 食品中の病原微生物による健康被害
      2. 食品中の有害化学物質による健康被害
      3. 動物性自然毒、植物性自然毒による中毒
    • 食品衛生活動
      1. 監視施設
      2. 輸入食品の監視
      3. 食品の安全対策
    • 栄養改善活動
      1. 制度の概要
      2. 栄養対策の現状
      3. 日本人の食事による栄養摂取量の基準(栄養所要量)
    • 廃棄物処理
      1. 廃棄物の種類
      2. 廃棄物処理
    • 消費者保健活動
  8. 母子保健
    • ライフサイクルと母子保健
      1. ライフサイクル
      2. ライフサイクルと有害因子
    • 母と子のかかわり
      1. 母体と胎児
      2. 母子相互作用
    • 母子保健の指標
      1. 乳児死亡
      2. 周産期死亡
      3. 幼児死亡
      4. 死産
      5. 妊産婦死亡率
      6. 母性保健
      7. 小児保健
    • 母子保健行政
    • 母子保健対策
    • 家庭保健の現状
    • わが国の母子保健事業の成果と今後の動向
  9. 学校保健
    • 学校保健の意味
    • 学校保健対策(領域と構成)
    • 保健教育と保健管理の特質
    • 学校保健の組織と運営
      1. 学校保健関係職員
      2. 学校保健組織活動
    • 学校保健管理
      1. 健康診断
      2. 健康相談
      3. 感染症予防
    • 学校環境管理
    • 保健教育
      1. 教育課程における保健教育の構成
      2. 保健学習
      3. 保健指導
    • 学齢期の健康状況の統計
    • 応急手当(応急処置)
    • 健康異常の新しい傾向
  10. 産業保健
    • 産業保健の目的
    • 働く人々の健康問題史
    • 最近の職場の特徴
      1. 就業者と雇用者
      2. 失業率、フリーター、ニート
      3. 産業別人口の推移
      4. 労働時間
      5. 職場ストレスの増加
      6. 労働者の自殺
      7. 睡眠時無呼吸症候群
    • 労働災害の動向
      1. 労働災害と業務上疾病の発生状況
      2. 産業疲労
      3. メンタル・ヘルス不調による労災
      4. 労災補償
    • 職業病とその対策
      1. 物理的環境因子による健康障害
      2. 化学的な要因による障害
      3. 作業態様に起因する障害
    • 職場における健康診断と健康増進
      1. 一般健康診断
      2. 特殊健康診断
      3. 臨時の健康診断
      4. 健康保持増進事業
      5. 作業関連疾患
    • 勤労者の生活と余暇
    • リハビリテーションと職場復帰
      1. 労災リハビリテーション作業所
      2. 職場復帰(復職)
  11. 成人・高齢者保健
    • 成人・高齢者の健康状態
    • 成人・高齢者の有訴者率、受療率
    • 成人保健(成人病から生活習慣病へ)
      1. がん(悪性新生物)
      2. 脳血管疾患(脳血管障害)
      3. 心疾患(心臓病)
      4. 高血圧性疾患
      5. 糖尿病
      6. ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
    • 高齢者の生活と高齢者保健・福祉対策
      1. 後期高齢者医療制度
      2. 認知症高齢者支援対策
      3. 高齢者福祉対策
      4. 介護保険
  12. 精神保健
    • 精神保健の定義と歴史
    • 精神の病気
      1. 統合失調症
      2. 心身症
      3. 不安障害
      4. 発達障害
      5. 摂食障害
      6. 物質関連障害
      7. パーソナリティー障害
      8. 認知症
      9. 気分障害
      10. 神経症
      11. その他の精神障害
  13. 地域保健と国際保健
    • 地域とその特徴
    • 地域社会のとらえ方
      1. 都市化・情報社会化
      2. 核家族化・単身世帯化
    • 地域保健とは
    • 地域保健活動
      1. 保健活動の対象者
      2. 地域保健活動の進め方
      3. 地域保健活動の現状
    • 保健に関する国際協力と世界保健機関
      1. WHOの活動
      2. わが国とWHOとの関係
      3. 国際的な環境保全戦略
      4. 二国間医療協力
      5. 国際協力の経済的側面
  14. 衛生行政と保健医療の制度
    • 衛生行政の考え方
    • わが国の衛生行政機構(組織)の概要
      1. 都道府県
      2. 保健所
      3. 市区町村
    • 関連機関の役割
    • 保健医療行政の財政
      1. 国の予算
      2. 地方公共団体の保健医療行政予算
    • 医療施設
      1. 病院
      2. 診療所
      3. 最近の動向
    • 保健医療従事者
    • 医療保険
      1. 制度の概要
      2. 保険給付
    • 公費(負担)医療
    • 国民医療費
      1. 国民医療費の動向
      2. 国民医療費の分析
    • 健康づくり
    • 保健・医療・福祉関係の法規
  15. 医療の倫理と安全の確保
    • 医療および公衆衛生活動の問題と倫理
    • 医療の安全の確保
      1. 国の対策
      2. 用語の解説
      3. 医療事故の防止
      4. 医療裁判
  16. 疫学
    • 疫学とは
      1. 疫学の意義
      2. 疫学の方法
    • 病因論:疾病の成り立ち
    • 集団の健康状態の把握
      1. 調査対象(全数調査と標本調査)
      2. 異常者数の把握
      3. 危険曝露人口の把握
      4. 比と割合と率
      5. 有病率、罹患率、死亡率
      6. 標準化(年齢調整)
    • 調査方法
      1. 記述疫学
      2. 分析疫学
      3. 既存資料を用いた生態学的研究
      4. 調査方法によるエビデンスのレベル
    • 調査結果の解釈と評価
      1. バイアス
      2. 交絡
      3. 因果関係
    • 国際疾病分類ICD−10

索引

序文

本書、公益社団法人全国柔道整復学校協会監修の教科書『衛生学・公衆衛生学』の初版は、1986年初版の『シンプル衛生公衆衛生学』(南江堂)を母体にして柔道整復学校の教育課程に準じて再編し、1995(平成7)年に出版されて現在に至っている。その間、1998、2003、2007、2011年と4.5年に1回の改訂を重ね、出版20周年を超えた。今回の改訂は2011年以来4年ぶりである。
 本書の初版からの約20年間に、柔道整復師の養成校は大幅に増加している。それだけに本書の責任も大きくなったと身を引き締めて第6版の大改訂を行った。今改訂では著者を全4名から6名体制とし、章の構成は変えなかったが、各章に著者を2名ずつ配置し、うち編集兼任担当を2名から3名に増やして、衆知を集めかつ偏りの無い内容と記述になるよう配慮した。
 また、全国柔道整復学校協会の教科書委員会からは衛生学公衆衛生学のご専門のあるいは関係の深い委員(教授)から、国家試験出題基準も踏まえて、旧版から本改訂についての詳しいご意見、要望、貴重なご提案を頂いたので、それらの内容と表現を検討して、その大方を取り込むことが出来た。記してお礼を申し上げる。
 この5年の社会情勢では、わが国の人口の少子高齢化はますます顕著になり、保健、医療、福祉、介護、リハビリ等の領域では介護保険法の下に「地域包括支援センター」の整備が進められている。医療介護総合推進法(2014年)では、各種専門機能(接骨院も含む)が連携した総合的、効率的な管理を目指している。さらに、生活習慣病では高度専門医療に対して、全人的かつ連携重視の統括医療の重要性が再認識されている。職域では過重労働や過労死防止、心の健康保持増進が重要課題となり、学校ではいじめ防止対策が急がれている。環境保健では新しい感染症と消毒薬、地球温暖化の影響、原発事故による放射能汚染の評価と対策が重要課題となった。
 第6版では、これらの課題に対する法令化、法や基準の改正などを書き加え、必要性の薄れた記述を割愛し、保健医療統計数値の全面的更新を行った。
 出来上がった本書は必要十分な最新の内容が盛られ、適切に記述されたと自負しているが、本書の利用者である教員諸兄姉と学生諸君には引き続きご愛用とご叱声を頂き、さらに良い本にしていきたい。

2015年12月吉日
著者代表 鈴木 庄亮

包帯固定学 改訂第2版

  1. 固定
    1. 固定の目的
    2. 固定の範囲
    3. 固定の肢位
  2. 固定材料の種類
    • 硬性材料
      1. 金属副子
      2. 副木と厚紙副子
      3. ギプス(ギプス包帯)
      4. 合成樹脂副子
    • 軟性材料
      1. 巻軸包帯
      2. 三角巾
      3. 綿花
      4. ガーゼ
      5. 絆創膏
      6. サポーター
  3. 巻軸帯の巻き方と注意事項
    1. 包帯の巻き方の基礎
      • 順巻きと逆巻き
      • 順巻きと逆巻き
    2. 包帯の持ち方
    3. 包帯の巻き始めと巻き終わり
    4. 巻き進めの方向
    5. 巻き締めの強さ
    6. 均等な圧
    7. 美しさ
    8. 包帯を巻く速さ
  4. 巻軸帯の巻き戻し
  5. 基本包帯法
    1. 環行帯
    2. 螺旋帯
    3. 蛇行帯
    4. 折転帯
    5. 亀甲帯(扇状帯)
    6. 麦穂帯(人字帯、スパイカ巻)
  6. 冠名包帯法
    1. デゾー包帯
      • 右側
        1. 第1帯の走行
        2. 第2帯の走行
        3. 第3帯の走行
        4. 第4帯の走行
      • 左側
        1. 第1帯の走行
        2. 第2帯の走行
        3. 第3帯の走行
        4. 第4帯の走行
    2. ヴェルポー包帯
      • 右側
      • 左側
    3. ジュール包帯
      • 右側
      • 左側
  7. 部位別包帯法
    • 頭部・顔面部
      1. 複頭帯
      2. 単頭帯
      3. 二頭帯によるヒポクラテス帽子帯
      4. 投石帯
    • 肩部
    • 肘部
    • 前腕部
    • 手関節部
    • 手指部
      • 母指
      • 環指および小指
      • 中指および環指の指先を被覆する包帯法
    • 股関節部
    • 大腿部
    • 膝関節部
    • 下腿部
    • 足関節部
    • 足趾部
      • 母趾
      • 母趾の趾先を被覆する包帯法
    • 胸部・背部
      • 胸十字帯
      • 背十字帯
      • 胸背十字帯
  8. その他の包帯法
    1. 合わせ包帯
    2. 多頭帯(並列帯)
  9. 三角巾による提肘
  10. さらし(晒)による固定
  11. 固定材料の作製と固定例
    • 厚紙副子、スダレ副子
      1. 厚紙副子
      2. スダレ(簾)副子
      3. 厚紙副子+スダレ副子の応用
    • 金属副子(クラーメル金属副子)
    • アルミ副子
    • ギプスと吸水硬化性キャスト材
      1. ギプス固定の目的
      2. ギプス固定の種類
        • 有褥ギプス(通常のギプス)
        • 無褥ギプス
        • 有窓ギプス
        • 歩行ギプス
        • ギプス副子(ギプスシーネ)
        • ギプスシャーレ
      3. ギプス・吸水硬化性キャスト材の材料と用具
        • ギプス
        • 吸水硬化性キャスト材
        • 下巻き材
        • ギプスなどを切除する道具
      4. ギプスの作製手順
      5. ギプス・キャストの切除手順
      6. ギプス固定の実際
        • ハンギングキャスト
        • ギプスシーネ
        • ロングアームキャスト
        • ショートアームキャスト
        • 関節可動ギプス
        • U字シーネ
        • PTBギプス
      7. シリンダーギプス(下肢円筒ギプス)による膝関節内側側副靱帯損傷の固定
    • 熱可塑性キャスト材(ロール状)
    • 熱可塑性キャスト材(板状)
      1. 熱可塑性材料
        • フォア・アーム・ブレース
        • フィンガー・バタフライ・スプリント
        • ファンクショナル・レッグ・ブレース
        • トライアンフ・スプリント
        • ビック・トゥ・スプリント
    • 絆創膏固定・テーピング
      1. テープの特徴
      2. テーピングの原理
      3. テーピングの目的
        • 治療
        • 予防
        • 保護
        • 応急処置
      4. 柔道整復領域での応用範囲
        • 骨折
        • 脱臼
        • 軟部組織損傷
      5. テーピング施行時の一般原則
      6. 基本的なテーピング
        • サポート・テープ
        • アンカー・テープ
      7. 肩鎖関節上方脱臼での応用例
      8. 膝関節捻挫での応用例
      9. 足関節内返し捻挫での応用例(放射状スターアップ)
      10. 下腿部(下腿三頭筋)肉離れでの応用例
    • 牽引療法(指骨骨折)
    • 装具(orthosis,brace,splint)
      1. 頸椎装具
      2. 体幹装具
      3. 胸腰仙椎装具
      4. その他の体幹装具
      5. 下肢装具
        • 短下肢装具
        • 長下肢装具
        • 膝装具
        • その他の下肢装具
      6. 上肢装具
        • 肩の装具
        • 上腕の装具
        • 肘装具
        • 手関節装具
        • 手装具(手部装具)

索引

序文

 この度、包帯固定学の教科書が第2版に改訂される運びとなった。2003年10月、柔道整復師が歴史的に師から弟子へと伝承されてきた包帯固定という方法を1冊の本にまとめ上げ、成書を編纂することになった。伝承されてきた方法をとりまとめる際の問題点は、個人の考え方の違いが大きくコンセンサスが得られないことで、編集作業は困難を極めた。「目で学ぶ」という形で多くの写真とフィギアを使って説明するという基本方針のもとに発刊したことは先見の明があった。近年、医学領域ではEBMが重要視されエビデンスに基づいて各種ガイドラインが編纂されている。この場合国内外の論文を広範囲に収集し、科学的根拠に基づいて評価することでエビデンスレベルを決める。エビデンスレベルが高い論文というのはRCT(randomized-controlled-trial)無作為抽出比較試験100例以上がされていなくてはならない(case report症例報告ではエビデンスレベルは低い)。古来伝承されてきた方法を、現在の視点で改めてRCTを行うことは、被験者となる側のインフォームドコンセントが得られず、実証は不可能に近い。こういった背景のもと古来の伝承医学を成書に取り入れることは一見時代に逆行する。
 古来、柔道整復師は骨折などの整復位をいかに安静に固定し、毎日往療して患者ともコミュニケーションを取り患部を毎日診て観察し、軽擦法などで血液循環を良くすることで施術してきた。固定具を作製するところから始め、合わせ包帯や現在ではほとんど生産すらされなくなったスダレ副子や厚紙副子を用いて固定してきた。本書には、近年使われるようになった吸水硬化性ポリウレタンキャスト材、熱可塑性キャスト材、テーピング、ブレースまで網羅されているが、柔道整復師に伝承されてきた古来の方法が記載されていることは特筆に値する。
 提供する施術の質を担保する目的で、平成4年から行われている認定実技審査制度は柔道整復師業界の独自の制度で、他の医療職ではまだ採用されていない画期的といえる制度である。平成16年の改訂あたりから包帯実技が重視されてきたと記憶している。平成24年に審査の公平性・客観性を重視し、審査の精度を上げるために腐心し、かなり公平性が高められたと評価されていると思うが、その際、審査課題も検討され柔道整復師に将来必要不可欠な課題として、骨折・脱臼・軟部組織損傷の固定法としてだけでなく、「包帯の部」として6項目が採用された。審査過程で整復法や固定法を一つに指定することには議論があることは重々承知しているが、本書は包帯固定法の一つのモデル案として参考にしていただければ幸いである。
 改訂にあたり、教科書委員会担当理事、委員長をはじめとする委員の先生方、さらに原稿作成の実務に携わった改訂作業部会の先生各位、写真撮影にご協力いただいた先生方には、自校の業務で多忙にもかかわらず、多大なご尽力と時間を割いていただいたことに、深甚なる感謝の意を表したい。

2014年10月
公益社団法人全国柔道整復学校協会
会長 碓井 貞成

柔道整復学・実技編 改訂第2版

第(特)章 総論

  1. 柔道整復施術
    • 柔道整復業務
    • 骨折の施術
    • 脱臼の施術
    • 軟部組織損傷の施術
  2. 運動器系の疼痛を訴える患者の施術
    • 損傷の診察
      1. 観察および問診
      2. 触診
      3. 機能的診察
    • 鑑別診断
    • 合併症の有無を判定する
    • その他の治療法に関する情報の提示
    • 説明と同意
      1. 損傷や疾患の状況の説明
      2. 損傷や疾患の予想される経過の説明
      3. 施術や応急的整復の必要性の説明
    • 徒手整復
    • 固定法
    • 整復・固定後の確認
      1. 整復状態の確認
      2. 施術行為による二次的障害発生の確認
    • 医科との連携
    • 固定期間の検討
    • 後療法
      1. 固定
      2. 経過
      3. 物理療法、手技療法、運動療法
      4. 後療法の適否の判定
    • 治癒の判定
      1. 骨強度の回復
      2. 関節可動域の回復
      3. 筋力の回復
      4. 持久力の回復
      5. 運動協調性の回復
    • 注意事項
    • 指導管理
    • 予後
  3. 肩部の痛みを訴える患者の診察をするときの考え方
    • 肩部に直接的な外力が加わった場合
      1. 肩部外側からの打撃による損傷の診察
      2. 肩部前方または前外方からの打撃による損傷の診察
      3. 肩部後方または後外方からの打撃による損傷の診察
      4. 肩峰部の打撃による損傷の診察
      5. 肩甲骨部の打撃による損傷の診察
    • 肩部に間接的な外力が加わった場合
      1. 肩関節外転位で手掌部を衝いて生じた損傷の診察
      2. 肩関節内転位で肘部を衝いて生じた損傷の診察
      3. 肩関節外転位で肘部を衝いて生じた損傷の診察
    • 明確な原因のない場合
      1. 野球を行う患者で明確な原因のない損傷の診察
      2. バレーボールを行う患者で明確な原因のない損傷の診察
      3. テニスを行う患者で明確な原因のない損傷の診察
      4. 水泳を行う患者で明確な原因のない損傷の診察
      5. 体操競技を行う患者で明確な原因のない損傷の診察
      6. 重量物を取り扱う患者で明確な原因のない損傷の診察
      7. 重量物を取り扱わない患者で明確な原因のない損傷の診察
    • 整形外科における診断の実状
      1. 骨折の診断
      2. 脱臼の診断
      3. 肩腱板損傷の診断
      4. 骨端成長軟骨板損傷の診断
      5. 筋損傷の診断

第(監)章 各論・上肢

  1. 骨折
    • 鎖骨骨折(中央・遠位1/3境界部骨折)
    • 上腕骨外科頸骨折
      1. 外転型骨折
      2. 内転型骨折
    • 上腕骨近位骨端線離開
    • 上腕骨骨幹部骨折
    • 上腕骨顆上骨折
    • 上腕骨外顆骨折
    • 上腕骨内側上顆骨折
    • 橈骨近位端部骨折
    • 肘頭骨折
    • モンテギア骨折
    • 橈・尺両骨骨幹部骨折
    • コーレス骨折(定型的骨折)
    • スミス骨折
    • 舟状骨骨折
    • ベネット骨折
    • 中手骨骨幹部骨折
    • 中手骨頸部骨折
    • 指骨の骨折
      1. 基節骨基部骨折
      2. 基節骨骨幹部骨折
      3. 中節骨掌側板付着部裂離骨折
      4. 中節骨骨折(頸部骨折・骨幹部骨折)
  2. 脱臼
    • 肩鎖関節脱臼(上方脱臼)
    • 肩関節脱臼(前方脱臼)
    • 肘関節脱臼(後方脱臼)
    • 肘内障
    • PIP関節脱臼(背側脱臼)
    • 第1指MP関節脱臼(背側脱臼)
  3. 軟部組織損傷
    • 腱板断裂
    • 上腕二頭筋長頭腱損傷
    • 肘関節内側側副靱帯損傷
    • ロッキングフィンガー(第2指)
    • 指側副靱帯損傷
      1. 第1指MP関節側副靱帯損傷
      2. PIP関節側副靱帯損傷
    • マレットフィンガー

第(企)章 各論・下肢

  1. 骨折
    • 大腿骨頸部骨折
      1. 内側骨折
      2. 外側骨折
    • 大腿骨骨幹部骨折
    • 膝蓋骨骨折
    • 下腿骨骨幹部骨折
    • 果部骨折
      1. 回内・外転損傷
      2. 回外・内転損傷
      3. 回内・外旋損傷
      4. 回外・外旋損傷
    • 踵骨体部骨折
    • 中足骨骨折
      1. 第5中足骨基部裂離骨折
      2. 中足骨骨幹部骨折
    • 足趾の骨折
  2. 脱臼
    • 股関節脱臼(後方脱臼)
    • 膝蓋骨脱臼(側方脱臼)
    • 足趾の脱臼
  3. 軟部組織損傷
    • 大腿屈筋群(ハムストリングス)の筋損傷(肉離れ)
    • 膝関節前十字靱帯損傷
    • 膝関節内側側副靱帯損傷
    • 半月(板)損傷
    • アキレス腱断裂・下腿三頭筋の肉離れ
      1. アキレス腱断裂
      2. 下腿三頭筋の肉離れ
    • 足関節捻挫

第(協)章 各論・その他の損傷

  • 顎関節脱臼(前方脱臼)
  • 肋骨骨折

索引

序文

柔道整復学・実技編が2000年に初めて刊行されて以来、10年以上の月日が経ちました。初版を作成する際も当時の教科書委員会の委員各位が献身的なご努力を頂き、紆余曲折がありながらもやっと発刊にこぎつけたことを覚えております。元来、柔道整復の実技は、柔道整復術の長い歴史のなかで様々な手技、理論があり、それだけに執筆時には何を標準とするかが最大の課題であったものと思料します。したがって、分担執筆された先生方も大変なご苦労があったことと存じます。
 このたび、難題を抱えながらもまとめ上げた初版を改訂することに踏み切った背景には、現在、柔道整復師が遭遇する可能性の高い外傷の治療に力点をおく必要があることと、よりわかりやすい記述、図版を使い柔道整復学を学ぶ者にとって理解しやすいものにすることなどが挙げられます。このことを踏まえ、教科書委員会は、小委員会を設置し、膨大な時間をかけて改訂の作業に着手いただいたわけでありますが、初校が出来上がってからも会員校の多くの先生方からご意見を頂戴し、そのたびに検討、修正を加えていく丹念な作業の続けていただきました。そのため、当初予定していた作業工程を大きく変更しながら、実に足かけ4年の期間、ご尽力いただいたわけです。委員会委員各位には深く感謝申し上げるとともにそのご努力に対し敬服する次第であります。
 柔道整復師の業において、伝承してきた様々な技術を散逸することなく次世代に繋げていくことは伝統医療の発展のためにもっとも重要な事項と考えます。そのような意味において本書は、大事な文献であり、かつ、貴重な資料でもあります。学生諸君には、どうか本書の持つ意味を理解され、柔道整復術の理念や難しさを知っていただきたいと思います。また、本書を大いに活用されることにより生涯にわたる研鑽の礎にしていただくことを願って止みません。

2012年11月
公益社団法人全国柔道整復学校協会
会長 坂本 歩

外科学概論 改訂第4版

外科学とは

  • 外科学の歴史
  • 外科医の立場
  • 現在の外科医療
  1. 損傷
    • 損傷
    • 創傷
    • 熱傷
  2. 炎症と外科感染症
    • 炎症
    • 外科感染症
  3. 腫瘍
    • 概念
    • 組織形態
    • 成因(発癌)
    • 分類
    • 主な良性腫瘍の種類
    • 悪性腫瘍の種類
    • 病期分類
    • 腫瘍の発育形式
    • 症状
    • 診断
    • 治療
    • 疫学
  4. ショック
    • 循環血液量減少性ショック
    • 心原性ショック
    • 血液分布異常性ショック
    • 閉塞性ショック
    • ショックの緊急処置
  5. 輸血、輸液
    • 輸血
    • 一般輸液
    • 高カロリー輸液
  6. 消毒と滅菌
    • 主な消毒液と特徴
    • 皮膚の消毒
    • 機器、器材、環境の消毒
    • 滅菌
  7. 手術
    • 手術の分類
    • 各種手術法
  8. 麻酔
    • 概要
    • 麻酔の歴史
    • 麻酔の種類
    • 全身麻酔法
    • 全身麻酔の導入
    • 全身麻酔の術中管理
    • 全身麻酔の合併症
    • 局所麻酔法
    • 緩和ケアとがん性疼痛治療法
  9. 移植と免疫
    • 移植の用語
    • 移植の現状
    • 各種臓器移植
  10. 出血と止血
    • 出血とは
    • 出血の種類
    • 止血の仕組み
    • 外出血
    • 内出血
    • 止血法
  11. 心肺蘇生法
    • 倒れた人の評価方法
    • 心配蘇生法の実際
    • 救急蘇生法の連携
  12. 脳神経外科疾患
    • 脳・神経疾患の腫瘍徴候
    • 中枢性疾患特有な病態
    • 画像検査
  13. 甲状腺・頸部疾患
    • 甲状腺疾患
    • 頸部疾患
  14. 胸壁・呼吸器疾患
    • 胸郭・肺の検査
    • 手術
    • 肺疾患
    • 胸膜疾患
    • 胸部損傷
  15. 心臓・脈管疾患

    (特)心臓疾患

    • 心・血管系疾患に対する検査法
    • 心臓手術法
    • 先天性心疾患
    • 弁膜症
    • 幹先生心内膜症
    • 心筋症
    • 心臓腫瘍
    • 心膜症
    • 虚血性心疾患

    (監)脈管疾患

    • 動脈疾患
    • 静脈疾患
  16. 乳腺疾患
    • 診断
    • 乳腺疾患
  17. 腹部外科疾患

    (特)腹部外科疾患の主な特徴

    1. 腹痛
    2. 腹壁緊張
    3. 腹部膨満
    4. 消化吸収障害
    5. 下痢
    6. 便秘
    7. 消化管出血
    8. 嘔吐、吐気
    9. 黄疸

    (監)消化器疾患に対する主な検査

    1. 超音波検査
    2. X線検査
    3. 内視鏡検査
    4. 腹腔穿刺
    5. 肝機能検査
    6. CT、MRI検査

    (企)代表的腹部外科疾患

    • 食道
    • 胃十二指腸
    • 大腸疾患
    • 肝・胆・膵疾患
    • その他の腹部外科疾患

序文

本書は、1993年4月に初版を刊行し、1998年2月に改訂第2版、2006年4月に改訂第3版を刊行した。
改訂第3版においては、EBM(Evidence Based Medicine:根拠に基づいた医療)やインフォームド・コンセントが広く徹底されてきたことや、外科領域での大きな変化として内視鏡手術が普及してきたことなど、その他医療を取り巻く環境の変化、進展に対応するよう改訂を図った。
今版においては、全国柔道整復学校協会の要請により、柔道整復師養成課程の学生が対象であることをより意識して、外科学領域のミニマムエッセンスをまとめた内容となることをめざして改訂作業を行った。
具体的には、症状や診断法、また外傷などの記述を充実させる一方で、整形外科学、解剖学、生理学など他科目との重複や詳細な術式などを圧縮し、学生に求められる知識量に配慮した内容とした。また記述内容が今日の医療現場に即しているかどうか点検・見直しを行って、当該領域における新知見・情報を盛り込み全体をアップデートした。
書名のとおり「外科学概論」となるよう、これまでの詳細な記述を見直すとともに、記述に軽重をつけ、より学習しやすい教科書となったと思われる。
本書が、学生の皆様の資格取得と、日常の診療に大いに活用していただけることを希望するものである。
最後に、本書の改訂にあたり、執筆の労をお執りいただいた筆者の先生方に御礼申し上げる。

2012年2月
学校法人東邦大学理事長
炭山 嘉伸

リハビリテーション医学 改訂第4版

  1. リハビリテーションの理念
    • リハビリテーションという言葉
    • リハビリテーションの成立過程
    • 障害者の復権とその源泉
  2. リハビリテーションの対象と障害者の実態
    • 医学的リハビリテーションの対象
    • リハビリテーション医学の対象
    • リハビリテーション医学と生物学的医学
    • 障害児者の実態
    • 身体障害児者の内訳
  3. 障害の階層とアプローチ
    • ICDとICIDH
    • ICIDHからICFへ
    • ICF-CYについて
    • ICFコアセット
    • WHODAS2.0について
    • 障害へのアプローチ
    • 病気と障害の相違
  4. リハビリテーション評価学
    • 運動学と機能解剖
    • 身体所見
    • 小児運動発達の評価
    • ADLの評価
    • 心理的評価
    • 認知症の評価
    • 電気生理学的検査
    • 画像診断
    • 運動失調
  5. リハビリテーション障害学と治療学
    • リハビリテーション障害学
    • リハビリテーション治療学
  6. リハビリテーション医学の関連職種
    • 医師・リハビリテーション科専門医
    • 理学療法士
    • 作業療法士
    • 看護師
    • 言語聴覚士
    • 臨床心理士
    • 医療ソーシャルワーカー(医療福祉士)
    • 義肢装具士
    • 介護支援専門員(ケアマネージャー)
  7. リハビリテーション治療技術
    • 理学療法
    • 作業療法
    • 言語聴覚療法
    • 補装具
  8. 高齢者のリハビリテーション
    • 平均寿命と健康寿命
    • フレイル
    • 高齢者をとりまく医療制度
    • 認知症
    • 高齢者虐待
    • 要介護状態の予防
    • リハビリテーション前置主義
    • 地域リハビリテーション
    • パーキンソン病のリハビリテーション
    • 脳卒中
  9. 運動器のリハビリテーション
    • 骨折の治療と後療法
    • 骨粗鬆症
    • 捻挫へのアプローチ
    • 上肢損傷後症候
    • 下肢損傷後症候群
    • 頸肩腕症候群の病態とアプローチ
    • 腰痛症の病態とアプローチ
    • 肋骨骨折へのアプローチ
    • アキレス腱断裂へのアプローチ
  10. リハビリテーションと福祉
    • 社会福祉
    • 介護保険
  11. 障害者スポーツ
    • 障害者スポーツの概要
    • 障害者スポーツの歴史
    • 障害者スポーツの分類
    • 障害者スポーツの種目
    • 障害者スポーツにおける評価と効果

索引

改訂第4版の序文

 現在、医療の主流は、急性期病院での治療をできるだけ短期間で終了して、次の回復期リハビリテーション病棟あるいは病院で総合的なリハビリテーションを行い、自宅退院へつなげることである。高齢社会を反映して、認知症を伴う脳卒中と大腿骨近位部骨折後の治療が大きな割合を占めている。
 柔道整復師として必要な知識と技能、および職業倫理を習得し、地域社会に貢献し、次世代を担うリーダーの資質を身につけることが学生には求められる。この観点から、柔道整復師国家試験で問われるリハビリテーション医学の知識はますます広範になってきている。
 柔道整復師の想定される進路には、接骨院(整骨院)、病院の整形外科やリハビリテーション科、福祉施設、スポーツ施設、アスレティックトレーナーなどがあり、保健体育教諭への進出も今後期待されている。
 こうした背景から、改訂第4版では目次構成を大幅にあらため、内容の拡充を図った。第2章では障害者の実態についてデータを示して詳しく解説した。第3章「障害の階層とアプローチ」では、国際生活機能分類(ICF)の根本的な考え方を記述した。第5章「リハビリテーション障害学と治療学」では、リスク管理、リハビリテーション前置主義について触れた。また第8章として「高齢者のリハビリテーション」を設け、健康寿命、フレイル、ロコモティブシンドロームと要支援・要介護との関係を述べた。第9章の「運動器のリハビリテーション」では、骨折に対する応急処置、打撲・捻挫・軟部組織損傷、頸肩腕痛、上肢・下肢損傷後症候群に対する治療やリハビリテーションの項目を拡充した。第11章に「障害者スポーツ」の項目を設けた。
 『リハビリテーション医学』の初版は、帝京大学医学部リハビリテーション科三上真弘教授の編集のもとで平成5(1993)年に出版された。改訂第2版が平成15(2003)年に、さらに改訂第3版が平成22(2010)年に発行された。三上真弘先生をはじめとして帝京大学医学部リハビリテーション科スタッフが執筆を担当した。三上真弘先生の後継の栢森良二が帝京大学から帝京平成大学に異動したことから、執筆メンバーが少し変わった。今回の改訂にあたり全国柔道整復学校協会の先生方のご意見や要望はもとよりその他多くの方々のご意見をうかがい、新しいことはできるだけ取り入れるように配慮した。
 改訂第4版を上梓することができたのは、全国柔道整復学校協会の先生方、柔道整復師を目指す学生諸氏、株式会社南江堂の担当者のお陰である。執筆者を代表して厚くお礼を申し上げる。

平成31年2月
編者

柔道整復師のための救急医学

第1章 総論

  • 救急医療体制
  • 病院前救護体制
  • 救急医学概論
  • 集中治療医学概論
  • 災害医学概論
  • 救急看護概論
  • 救急画像診断概論
  • 救急検査概論
  • 麻酔・疼痛管理概論

第2章 症候学

  • 総論
  • 各論

第3章 救急蘇生法

  • 心配蘇生法
  • けがきずと止血法
  • 打撲、捻挫、骨折とRICE
  • 気道異物、異物除去(溺水)
  • 体位管理と搬送

第4章 内因性疾患

  • 中枢神経系疾患
  • 心血管疾患
  • 呼吸器疾患
  • 消化器系疾患
  • 代謝性疾患
  • 腎疾患

第5章 外因性疾患

  • 外傷
  • 環境障害
  • 急性中毒
  • 侵襲学

第6章 特殊救急医療

  • 高齢者救急のポイント
  • 小児救急のポイント
  • 精神科救急のポイント

第7章 救急医事安全管理

  • 総論
  • 医療安全(リスクマネジメント)とは
  • 接(整)骨院での実際
  • スポーツ現場での実際

略語集

序文

救急救命士が誕生して救急現場での処置が拡大され、さらに、非医療従事者が自動体外式除細動器(AED)を使用できるようになった。街には当たり前のようにAEDが多く設置され、多くの人に心肺蘇生法が普及し、その結果、心肺停止から多くの人が生還し社会復帰するようになった。現場から救急医療が始まっている。このような流れ、社会の中で、医療従事者、コメディカルが社会から求められ、期待されていることは何だろうか。それぞれの専門領域のプロとしての知識と技能を身につけ、発揮することは当然のこととして、医療従事者ならでは、専門職ならではの、救急の知識と技能も求められているのではないだろうか。そのための教育体制はどうあるべきであろうか。常々考えていたことである。今回、柔道整復学校協会より救急医学のテキストをという話をいただいた。コメディカル教育の中でも画期的な取り組みだと思う。その意向を受けて、学会をリードする現場の第一線の若手救急科専門医をはじめ、救急になじみの深い方々に、今の時代の、現場の生きた救急医学をわかりやすく執筆していただいた。救急医学だけでなく、リスクマネジメントなど、関連が深い重要な項目も網羅し、わかりやすく解説していただいた。これで救急医学教育の材料は十分に整った。あとはどのように興味深い教育を展開できるかにかかっている。
 医療崩壊といわれている昨今、わが国の医療を考えるには、医療を提供する側と、受ける側が一体となって、取り組んでいくことが、今後ますます重要になると思う。多くの人が助かる社会にするために、どんな医療従事者でも必要最低限の救急の知識と実践を身につけ、いざというときに自身が率先して行動できるのは当然のこと、普段から職場や地域で救急蘇生法等を啓発していくことも重要なことではないだろうか。一般市民が実際にAEDを使用したのはごくわずかであるとの新聞報道もあった。この教科書をきっかけに少しでも多くの人が救急医学に興味を持ち、正しく身につけて普及させていただき、さらに多くの命が助かるような社会になれば望外の喜びである。

2010年3月
東京医科大学救急医学教授
太田 祥一

運動学 第3版

  1. 運動学の目的
    • 運動学とは
    • 運動学の領域と目的
    • 運動のとらえ方
  2. 運動の表し方
    • 運動の表示方法
    • 関節運動の種類
  3. 身体運動と力学
    • 身体運動に関する力
    • 人体における単一機械構造
    • 運動の法則
    • 仕事と力学的エネルギー
  4. 運動器の構造と機能
    • 骨の構造と機能
    • 関節の構造と機能
    • 骨格筋の構造と機能
  5. 神経の構造と機能
    • 神経細胞
    • 末梢神経
    • 中枢神経
  6. 運動感覚
    • 感覚と知覚
    • 運動感覚と運動の制御機構
  7. 反射と随意運動
    • 反射
    • 連合運動と共同運動
    • 随意運動
  8. 四肢と体幹の運動
    • 上肢帯の運動
    • 肩関節の運動
    • 肘関節と前腕の運動
    • 手関節と手の運動
    • 股関節の運動
    • 膝関節の運動
    • 足関節と足部の運動
    • 体幹と脊柱の運動
    • 頸椎の運動
    • 胸椎と胸郭の運動
    • 腰椎、仙椎および骨盤の運動
    • 顔面および頭部の運動
  9. 姿勢
    • 姿勢の分類
    • 重心
    • 立位姿勢
    • 立位姿勢の制御
    • 機能肢位
  10. 歩行
    • 歩行周期
    • 歩行の運動学的分析
    • 歩行の運動力学的分析
    • 歩行時の筋活動
    • 歩行のエネルギー代謝
    • 走行
    • 異常歩行
  11. 運動発達
    • 神経組織の成熟
    • 乳幼児期の運動発達
  12. 運動学習

序文

 本書の第2版が刊行されたのが2003(平成15)年であるから、現在は8年が経過した時期に当たる。この間に財団法人柔道整復研修試験財団編集による柔道整復師国家試験出題基準は、平成16年版と平成22年版の2回が刊行された。この度本書の内容を最新の国家試験出題基準に準拠するように修正・検討を行い、さらに新しい知見を加えて全面的に改訂を行うこととした。
 本書の運動学では、人間の正常な運動行動の分析・解析を意図したものとして著してあり、異常要素に係わるものとしては変形、異常歩行など限られた部分に限定して記載してきた。今回の改訂で新たに加えた連合運動と共同運動は、正常機能としても存在するものであるが、一般的には神経疾患による症候としてとらえられる場合が多い。また、関節の機能肢位の概念も運動器疾患に係わるものである。これらは神経学、整形外科学の教科で詳細を学ばれることではあるが、国家試験出題基準の運動学の領域にもそれらの文言が含まれており、関連する事柄として学ばれるように一部記載してある。また、歩行の項に走行に関する記載を簡潔に加えた。
 本書に掲載してある図表について、より理解しやすいように必要な部分には修正を加え、また新たにいくつかのものを加えた。
 2007年に日本解剖学会は、足の指を「趾」と記載するものとし、同年に発行された「解剖学用語」改訂13版(医学書院)では足の指はすべて「趾」と記載されている。日本解剖学会は当面はどちらを使用しても差し支えないとしている。市販される解剖学の成書の大部分が足の「指」を用いているのが現状であるが、本書では足の指をすべて「趾(指)」と記載するように統一した。
 本書の改訂にあたり、社団法人全国柔道整復学校協会教科書委員会および多くの学校より、たくさんの貴重なご指示とご意見をいただいたことに深甚の謝意を表し、さらに読者諸氏のご教示を仰ぎたい。

2012年1月 著者

病理学概論 改訂第3版

  1. 病理学とは
    • 病理学
    • 方法
  2. 疾病の一般
    • 疾病の意義と分類
    • 症候の意義と分類
    • 疾病の経過、予後、転帰
  3. 細胞傷害(退行性病変、代謝障害)
    • 細胞傷害(退行性病変、代謝障害)の定義
    • 萎縮
    • 変性
    • 代謝障害と疾病
    • 壊死
  4. 循環障害
    • 血液の循環障害
    • リンパ液の循環障害
    • 脱水症
    • 高血圧症
  5. 進行性病変(病的増殖)と細胞・組織の適応
    • 進行性病変(病的増殖)の定義
    • 肥大、過形成
    • 再生
    • 化生
    • 創傷治癒、組織内異物の処理
    • 移植
  6. 炎症
    • 炎症の一般
    • 炎症の分類
  7. 免疫異常、アレルギー
    • 免疫の仕組み
    • 免疫不全
    • 自己免疫疾患
    • アレルギー
  8. 腫瘍
    • 腫瘍の概念
    • 腫瘍の分類
  9. 先天性異常
    • 先天性異常:総論
    • 奇形の原因
    • 奇形成立の時期
    • 奇形の種類
  10. 病因
    • 病因の一般
    • 内因
    • 外因

付 運動器の病理

  • 感染性疾患
  • 骨および軟部腫瘍
  • 軟部腫瘍
  • 非感染性軟部・骨関節疾患
  • 全身性の骨・軟部疾患
  • 骨端症
  • 四肢循環障害
  • 神経・筋疾患

序文

 1992(平成4)年、第1回柔道整復師国家試験が実施され、20年が経過した。本書『病理学概論』は1995(平成7)年、第1版が出版され、2003(平成15)年に第2版として改訂出版され、9年を経た。
 今回、第3版を改訂出版するにあたり、社団法人全国柔道整復学校協会教科書委員会が主体となって本書の点検を学校協会各校に依頼したところ、多数の要望、また修正事項のご指摘をいただいた。第3版では、これらをできるだけ取り入れるように配慮し、第2版改訂に比して大幅な改訂を行った。
 大きな改訂事項を箇条的に記す。

  1. 巻頭8ページに口絵として、病変のマクロ像とミクロ像をカラー写真で掲示した。
  2. 第3章であった「病因」を第10章に繰り下げ、講義の順序性をより円滑になるよう配慮した。
  3. 論述的説明のなかで、可能なものは理解しやすい個条書きとした。
  4. 新たに多数の模式図(2色刷)を作成し、挿入した。
  5. 付録「運動器の病理」の項目を『整形外科学』の項目と一致させ、整形外科学の疾患説明においての病理学的内容を補完するように努めた。
  6. とくに注目してほしい事項や病理各論的な内容を囲み記事として新たに記述した。

 柔道整復師を目指している学生諸氏にには、日々進歩している医学・医療に対応できるように、基礎的知識からレベルの高い医学知識へと発展できる自己学習を身につけてほしいとの願いを込めて、第3版に取り組んだ。
 内容は柔道整復師国家試験出題基準の項目を網羅しており、本書のみを教科書として国家試験に臨んでも遺漏はないと思われる。
 本書を利用される教員また学生諸氏には忌憚ないご意見、ご批判をお願いしたい。

2012(平成24)年1月
著者 関根 一郎

関係法規 2019年版

  1. 序論
    1. 法の意義
    2. 法の体系
    3. 柔道整復師および柔道整復に関する法規
    4. 柔道整復師と患者の権利
    5. 医療過誤とリスクマネジメント
  2. 柔道整復師法とその関連内容
    • 総則
      1. 柔道整復師法の目的
      2. 定義
    • 免許
      1. 柔道整復師免許
      2. 免許を受けるための要件
      3. 免許の申請
      4. 柔道整復師名簿
      5. 免許の取消等
      6. 柔道整復師免許証及び柔道整復師免許証明書
      7. 免許証の書換え交付
      8. 免許証の再交付
      9. 免許証又は免許証明書の返納および提出

      参考 行政手続法による行政処分

    • 柔道整復師国家試験
      1. 試験の実施
      2. 合格証書と合格証明書
    • 業務
      1. 業務の禁止
      2. 業務範囲
      3. 秘密を守る義務
      4. 都道府県知事の指示
      5. 緊急時における厚生労働大臣の事務執行
    • 施術所
      1. 施術所の届出
      2. 施術所の構造設備等
      3. 施術所に対する監督
    • 雑則
      1. 広告
      2. 経過措置の制定
    • 罰則
      1. 罪刑法定主義
      2. 柔道整復師法に定められる罰則
      3. 両罰規定
    • 指定登録機関及び指定試験機関
      1. 指定登録機関
      2. 指定試験機関
    • 附則
      1. 免許の特例
      2. 受験資格の特例
  3. 関係法規
    • 医療従事者の資格法
    • 医療法
    • 社会福祉関係法規
    • 社会保険関係法規
    • その他の関係法規
  • 柔道整復師法
  • 柔道整復師法施行令
  • 柔道整復師法施行規則
  • 柔道整復師法第25条の2及び柔道整復師法施行令第14条の規定により地方厚生局長及び地方厚生支局長に委任する権限を定める省令
  • 柔道整復師法に基づく指定登録機関及び指定試験機関に関する省令
  • 柔道整復師法第8条の2第1項及び第13条の3第1項に規定する指定登録機関及び指定試験機関を指定する省令
  • 日本国憲法

索引

年度版の序

 本書は、柔道整復師として業務に従事するうえで、柔道整復師法を中心に理解しておくべき関係法規を解説したものである。
 近年の医療を取り巻く環境が大きく変動しているのは周知の事実である。少子化による人口減少や超高齢化をはじめ、社会構造の変革は、医療や社会保障制度に大きな影響を与えている。特に柔道整復師は、予防介護をはじめ、介護保険法と大きく関わっていく可能性がある。したがって、この変わりゆく医療に対応するために必要な衛生、福祉、保健関係法規もなるべく取り入れ、解説するよう努めた。
 そして現在、人権の保護が強く求められるようになり、医療の世界も「患者中心の医療」を目指すことは当然のこととなっている。そのことからも「個人情報の保護に関する法律」等も掲載している。
 近年の改正では、5,000人以下の個人情報を有する事業者の適用除外規定が削除され、すべての施術所にも適切な対応が望まれることになった。そして、病歴や健康診断結果など患者個人の診療情報は、医療機関や施術所が本人同意なしに第三者提供できない「要配慮個人情報」に位置づけられるものとされ、特に配慮が必要とされている。
 また、医療安全が強く意識される時代となり、柔道整復師の施術であってもインフォームド・コンセントやリスクマネジメントに対する認識が求められており、必要なかぎり解説するよう努めたつもりである。
 さて、本書にて学ばれる将来医療従事者になる方々にお願いしたいのは、現代法は禁止・罰則のためだけのものではなく、社会における人の権利、人権を守ることが目的であったことを前提に学んでほしいということである。
 医療の中心も人、患者であり、その権利と医療従事者自体の権利を守ることも、法の精神であることをぜひ知っていただきたい。本書が版を重ねていったとしても変わらぬ医療や法のあり方だからである。
 法の理解の先には、必ず人の姿が見えていなければならないのは自明のものである。

2019年2月
九州保健福祉大学教授
前田 和彦

解剖学 改訂第2版

  1. 人体解剖学概説
    • 意義と分類
    • 細胞および組織
    • 発生
    • 器官系統
    • 人体の区分
  2. 運動系
    • 骨格系
    • 筋系
  3. 脈管系
    • 総論
    • 心臓
    • 心脈管系
    • リンパ系
  4. 内臓系
    • 消化器
    • 呼吸器
    • 泌尿器
    • 生殖器
  5. 内分泌系
  6. 神経系
    • 神経系の基礎
    • 脊髄
    • 末梢神経
  7. 感覚器
    • 外皮
    • 視覚器
    • 聴覚器および平衡器
    • 味覚器
    • 嗅覚器
  8. 体表解剖
    • 体表区分
    • 骨格系
    • 筋系
    • 脈管系
    • 神経系
    • 目、耳、鼻、口
    • 外皮
    • 生体計測
  9. 映像解剖
    • 診断用X線
    • CTスキャン
    • 磁気共鳴画像診断法(MRI)
    • サーモグラフィ

序文

 本書の初版は、全国の柔道整復学校における解剖学教科書として平成7年に出版された。それ以来14年が経過して、解剖学および関連分野の進歩に対応するべく改訂を行う時期を迎えた。
 今回の改訂に当たり、次の点に留意した。

  1. 各章の区分は、人体解剖学概説、骨格系、筋系、心脈管系にはじまり、体表解剖と映像解剖で終わる従来と同様な方式を採用した。これは、初めて解剖学を学ぶ学生諸君にとって器官系統別の記述が理解しやすいと考えたからである。
  2. 各器官系統が人体のどの部位にあるのかを明示した。
  3. 複雑な人体を視覚的に理解しやすくするために、二色刷り図を採用した。また、図の訂正や増補を行った。
  4. 現在の細胞学、免疫学、神経科学の進歩に対応するために、細胞学、血液、リンパ系、神経系の錐体外路系についての記述を大幅に改めた。
  5. 解剖学用語は、日本解剖学会監修、解剖学用語委員会編集の『解剖学用語改訂13版』に可能な限り従った。

 改訂に当たっては、全国柔道整復学校協会の諸先生から多数の貴重なご意見をいただき、参考とさせていただいたことに対して、深甚なる謝意を表する。
 今後ともよりよい「解剖学」の教科書を目指して努力いたす所存であり、関係各位のご支援、ご叱責をお願いする次第である。

平成20年1月
執筆者一同

一般臨床医学 改訂第3版

  1. 診察概論
    • 診察の意義
    • 診察の進め方
  2. 診察各論
    • 医療面接
    • 視診
    • 打診
    • 聴診
    • 触診
    • 生命徴候
    • 反射検査
    • 代表的な臨床症状
  3. 検査法
    • 生命徴候の測定
    • 生理機能検査
    • 検体検査
    • 運動機能検査
  4. 主要な疾患
    • 呼吸器疾患
    • 循環器疾患
    • 消化器疾患
    • 代謝疾患
    • 内分泌疾患
    • 血液・造血器疾患
    • 腎・尿路疾患
    • 神経疾患
    • 感染症
    • リウマチ・膠原病・アレルギー
    • 環境要因による疾患

付録 各検査の基準値

序文

 超高齢社会を迎えた今日、国民の健康維持・増進は医療に携わる者にとって大きな課題となっている。専門手技を有する柔道整復師に対しても、国民の期待がますます高まっている。
 期待が大きければ、それに応える責務がある。柔道整復師を目指す学生諸君、また実際に施術所でご活躍されている柔道整復師にとっても、日々新しくなる医学的知識を十分に理解し、そのうえで施術することが重要であろう。
 本書は医学的観点から臨床医学全般について著した教科書である。その内容は、厚生労働省の指導要領ならびに公益社団法人全国柔道整復学校協会の教科ガイドライン、および公益財団法人柔道整復研修試験財団の国家試験出題基準を受けて、柔道整復師に一般臨床医学をあまねく教授することを目的に編纂された。今回は改訂第3版の改訂になるが、平成11年発行の第2版を大幅に見直し、執筆陣も再編成してより最新の情報を盛り込むこととした。とくに第2版以降に変更になった診療ガイドライン等は見直して改訂した。
 今回の改訂により、内容はますます充実したものと確信する。一般臨床医学を履修するのにぜひご活用いただきたい。
 改訂第3版の上梓にあたっては、公益社団法人全国柔道整復学校協会・教科書委員会のご高閲をいただいた。的確なアドバイスに深謝したい。また、出版に当たっては医歯薬出版株式会社編集部のご協力をいただいた。あわせて深謝を申し上げたい。

2013(平成25)年1月
著者

Qシリーズ新解剖学 第6版

第1章 運動系

第2章 内臓系

第3章 脈管系

第4章 神経系

第5章 感覚器

序文

本書の初版が発行されたのは1994年でした。幸いにも読者の支持を得て、幾たびも版を重ね、今回の改訂が第6版になります。この間、多くの方々が誤植を指摘してくださったり、ご意見やご質問を寄せてくださいました。本書を育てていただいた読者の皆さんに厚く御礼を申し上げます。とくに読者の皆さんからは、図を増やして欲しいとの要望を多くいただいています。そこで今回の改訂では、新たに100枚以上の図を描き起こすとともに、旧版の図もすべてフルカラーに改めました。 巻末の一覧表には、骨や動脈の名称、骨格筋の起始・停止・神経支配・作用などをまとめてありますので、知識の整理に役立ててください。将来、医療者となった皆さんを助けてくれるのは、皆さん自身の知識です。本書は解剖学の膨大な知識をきわめて簡略にまとめたものですが、皆さんの学習の一助になれば幸いです。 2011年3月 著者一同

柔道整復師のための医療安全学

第1章 柔道整復師と医療安全

  1. 医療安全とは
  2. 医療安全の基本的な考え方

第2章 インシデントレポートの作成と分析

  1. インシデントレポートの意義
  2. インシデントレポートの作成
  3. インシデントレポートの分析
  4. インシデントレポートの管理
  5. インシデントレポートの実例
  6. 柔道整復業務におけるリスクマネージメントとインシデントレポート

第3章 柔道整復業務におけるアクシデントの予防と対応

  1. エラーの分類
  2. アクシデント(有害事象)の予防(リスクマネージメント)
  3. アクシデント(有害事象)がおこってしまったときの対応

第4章 施術における安全管理

  1. 施術所内の安全管理スペースの確保
  2. 創傷の有無の確認と感染防止
  3. 外傷の正確な評価の重要性
  4. 施術法選択の重要性

第5章 物理療法の安全管理

  1. 物理療法の定義
  2. 物理療法の種類
  3. 物理療法実施上の注意
  4. 物理療法の一般的禁忌症
  5. 温熱療法
  6. 電気療法
  7. 寒冷療法
  8. 光線療法(レーザー光線療法)
  9. 介達牽引療法
  10. ROM増大の治療

第6章 頭頸部、顔面の外傷に対するリスクマネージメント

  • 頭部の外傷
  • 顔面部の外傷
  • 頸部の外傷

第7章 胸背部の外傷に対するリスクマネージメント

  • 胸部の外傷
  • 背部の外傷

第8章 腰部の外傷に対するリスクマネージメント

  1. 診断のポイント
  2. 治療上のポイント

第9章 肩、肩周囲の外傷に対するリスクマネージメント

はじめに─ 肩、肩周囲の構造

  1. 診断のポイント
  2. 治療上のポイント
  3. 肩、鎖骨の治療上の安全のポイント

第10章 上腕、肘、前腕の外傷に対するリスクマネージメント

はじめに─ 肘関節の構造

  • 上腕の外傷
    1. 診断のポイント
    2. 治療上のポイント
  • 肘の外傷
    1. 診断のポイント
    2. 治療上のポイント
  • 前腕の骨折
    1. 診断のポイント
    2. 治療上のポイント
  • 前腕部での絞扼性神経障害
    1. 後骨間神経麻痺(橈骨神経深枝)
    2. 前骨間神経麻痺(正中神経麻痺)
    3. 肘部管症候群(尺骨神経麻痺)

第11章 手、指の外傷に対するリスクマネージメント

はじめに─ 手、手指の構造

  1. 診断のポイント
  2. 治療上のポイント

第12章 股関節周囲の外傷に対するリスクマネージメント

はじめに─ 股関節の構造

  1. 診断のポイント
  2. 治療上のポイント

第13章 膝の外傷に対するリスクマネージメント

はじめに─ 膝の構造

  1. 診断のポイント
  2. 治療上のポイント

第14章 下腿、足関節、足部の外傷に対するリスクマネージメント

はじめに─ 下腿、足関節、足部の構造

  • 下腿
    1. 診断のポイント
    2. 治療上のポイント
  • 足・足関節
    1. 診断のポイント
    2. 治療上のポイント

第15章 柔道整復業務における訴訟、裁判の実例

序文

柔道整復師の教育機関として半世紀を超えた花田学園、渋谷における専門学校教育とともに、平成21年4月には柔道整復学科、鍼灸学科ならびに看護学科を設置する大学教育を始めておよそ2年が経過した。
日本における少子高齢社会の流れがますます加速する状況の中で、柔道整復師の教育機関の増加は、平成9年における1学年定員1、050名に対し、現在は10倍近くとなっている。質と量の相関─正のスパイラルが当然求められるところであり、地域医療の担い手の一員である柔道整復師として少なくとも社会に対する信頼原則は確立しなければならない、と同時に、技術者集団としての誇りを大切にしなければならない。柔道整復師は、柔道を通し地域社会における青少年の健全育成のために努力を傾注しているが、同時に柔道整復師としての品格ある集団でなければならないことは論を待たない。地域医療において、幅広い年代層を治療対象としているが、子供世代が柔道整復師に憧れ、将来の職業選択の目標の1つとなるためには、さらに技術の研鑽・人格の陶冶に努めることが肝要である。
先人達が文字通り骨身を削って取り組んできた、骨折をはじめとする外傷に対する、柔道整復師独特の巻軸包帯と副子の活用を中心とした技術の習得・向上と同時に、インシデントに対する危機管理を十分認識し、地域医療機関との信頼原則を礎に、支援病院や医院と確実に連携し、患者のための窓口機関としてのマンパワーを着実に維持しなければならない。とりわけ、整形外科の医師との住み分けと連携、医師からみて安心してもらえる柔道整復師を目指してほしい。難しいから、結果が怖いから等のために自分のできる守備範囲を放棄することは避けてほしいと念願するものである。「自らの手で安きに流れることなかれ」と申し上げたい。
本書の出版にあたり、整形外科の医師として最前線における手術経験とスポーツを含めた様々な外傷・障害に対する臨床経験が極めて豊富な田渕健一先生が中心となって、心血を注ぎ本書の執筆にあたられた。無血徒手整復の限界と応用について、臨床の現場におけるきわめて懇切な視点で構成されている。
本書は、文部科学省に提出した大学としての使命を基本理念に置き、『柔道整復師のための医療安全学』として編纂されたものである。患者にとって適宜、適切な医療選択がなされることを切望する次第である。

平成23年2月吉日
学校法人花田学園
東京有明医療大学
理事長 櫻井康司

生理学 改訂第3版

  1. 生理学の基礎
    • 生理学とは
    • 人体を構成する要素
    • ホメオスタシス
    • からだの化学的構成
    • 細胞の機能的構造
    • 拡散、浸透、ろ過
    • 受動輸送と能動輸送
    • エンドサイトーシスとエクソサイトーシス
  2. 血液の生理学
    • 血液の役割
    • 血液の組成
    • 免疫機能
    • 血液型
    • 血液の凝固
  3. 循環の生理学
    • 心臓の機能
    • 血管系
    • リンパ管系
    • 循環の調節
    • 局所循環
    • 脳脊髄液循環
  4. 呼吸の生理学
    • 呼吸器の機能的構造
    • 換気
    • ガス交換
    • 血液中の酸素の運搬:ヘモグロビンの役割
    • 血液中の二酸化炭素の運搬
    • 呼吸を調節するしくみ
    • 呼吸の異常
    • 特殊環境下の循環
    • 人工呼吸
  5. 消化と吸収
    • 消化器系のはたらき
    • 消化管の運動とその調節
    • 消化液の分泌機序
    • 消化
    • 吸収
    • 消化管ホルモン
    • 肝臓と胆道系
  6. 栄養と代謝
    • 代謝
    • 中間代謝
    • エネルギー代謝
  7. 体温とその調節
    • 体温
    • 体温の生理的変動
    • 体内における熱の産生
    • 熱放散
    • 体温の調節
    • うつ熱と発熱
    • 気候馴化
  8. 尿の生成と排泄
    • 腎の構造と機能
    • 糸球体ろ過
    • 尿細管における再吸収
    • 尿細管における分泌
    • 尿の成分
    • 排尿
  9. 内分泌系の機能
    • 内分泌腺
    • ホルモンの一般的性質
    • ホルモンの種類と作用
    • 視床下部のホルモン
    • 下垂体のホルモン
    • 甲状腺のホルモン
    • 副腎皮質のホルモン
    • 副腎髄質のホルモン
    • 膵臓のホルモン
  10. 生殖
    • 性染色体とその異常
    • 性分化
    • 男性生殖器の構成
    • 精子形成
    • 勃起と射精
    • 女性生殖器の構成
    • 卵巣周期
    • 月経周期
    • 卵巣周期中のゴナドトロピンと卵巣ホルモンの分泌
    • 妊娠と分娩
    • 乳汁分泌
  11. 骨の生理学
    • 骨の構造
    • 骨の形成と成長
    • 骨の再吸収と再形成
    • カルシウム代謝とリン代謝
    • ビタミンD
    • 上皮小体ホルモン
    • カルシトニン
    • 骨の病気
  12. 体液の生理学
    • 体液の区分と水バランス
    • 体液のイオン組成
    • 体液の恒常性を維持するしくみ
  13. 神経の基本的機能
    • 神経細胞の形態
    • 静止膜電位
    • 活動電位
    • 閾刺激
    • 全か無かの法則
    • 不応期
    • イオンチャネル
    • 興奮の伝導
    • 複合活動電位
    • 興奮の伝達
  14. 神経系の機能
    • 神経系の成り立ち
    • 内蔵機能の調節
    • 内蔵機能の視床下部による調節
    • 姿勢と運動の調節
    • 高次機能
  15. 筋肉の機能
    • 筋肉の種類とその特徴
    • 骨格筋の構造
    • 筋収縮のしくみ
    • 筋細胞膜を興奮させるしくみ
    • 骨格筋の収縮の仕方
    • 筋肉の長さと張力の関係
    • 筋収縮のエネルギー
    • 筋の熱発生
    • 筋電図
    • 平滑筋
    • 心筋
  16. 感覚の生理学
    • 感覚の種類
    • 感覚の一般的性質
    • 体性感覚(皮膚感覚、深部感覚)
    • 内臓感覚
    • 嗅覚と味覚
    • 聴覚
    • 視覚
    • 前庭感覚

序文

全国の柔道整復学校で教科書として使われている「生理学」が、全国柔道整復学校協会教科書委員会と著者らによって初めて改訂されてからはや8年となる。今回、柔道整復学校の現場でこの教科書を使って生理学の教育を担当しておられる先生方から提出していただいた改訂意見を教科書委員会が検討、集約され、その資料をもとに著者らが大幅な改訂を試みることとなった。前回の改訂の際も教育現場の先生方のご意見を参考にさせていただいたが、前回は個別意見の提示であったため、多数意見なのか少数意見なのかがわからず、ときには相矛盾するご意見もあって採否に迷った。しかし、今回は、教科書委員会で意見の重み付けをされたお蔭で、現場の先生方の意見を思い切って取り入れ、改訂に取り組むことができたと思っている。
 今回改訂された主な点をあげると、(1)各章を通じて、文章と図表の増補、訂正、あるいは削除を行った。(2)読者が理解しやすいように一部、章の配置の変更を行った。(3)最近の高校のカリキュラムでは、生理学の理解に必要な化学の基礎が必ずしも教えられていないことに鑑み、これを1章に加えることとした。以上はいずれも現場の先生方、および教科書委員会からのご意見によったものである。その他、(4)見出しを増やし、読者の便宜を図った。(5)生理学でよく使われる単位の解説を付録として記載した。(6)学校協会と出版社と話し合いの結果、他の統一教科書と同様、今般の改訂から2色刷とした。
 柔道整復学校のように協会のガイドラインに準拠した統一された教科書が使われることは教育水準の維持や国家試験問題作成の具体的な拠り所になる資料として有効な手段と考えられるが、一方、この制度が有効に運営されるためには、教科書は、これを使って教育をされる先生方、および、学習される学生の方々から評価を受け、改善されていくことが必須の条件となろう。その意味で、今回、学校協会教科書委員会が適切な指導性を発揮され、教育現場から出された意見を集約する具体的方法を打ち出されたことは教育現場の先生方と著者ら並びに出版社のスタッフが一体となって行う教科書作りに画期的な道筋をつけられたものと思う。今後、さらに、学生の希望も取込むことにより、よりよい教科書作りが進むことを期待したい。
 最後に、改訂にあたって、多大のご尽力とご配慮を頂いた南江堂の澤田 文、山内 加奈子、中村 一の各氏、並びに、関係された諸兄姉に深甚なる感謝の意を表したい。

2006年2月
著者ら記す

医療の中の柔道整復

  1. 柔道整復術の適否を考える
  2. 損傷に類似した症状を示す疾患
    • 内臓疾患の投影を疑う疼痛
      1. 背部の痛み
      2. 胸部の痛み
      3. 腹部の痛み
      4. 肩の痛み
      5. 上肢の痛み
    • 腰痛を伴う疾患
      1. 腰痛を伴う疾患
      2. 腰痛のred flag
      3. 見逃してはいけない整形外科疾患
    • 化膿性の炎症など
      1. 急性化膿性骨髄炎
      2. 皮膚の細菌感染症
      3. 結晶誘発性関節炎
    • 軟部組織の圧迫損傷
  3. 血流障害を伴う損傷
    1. 動脈損傷
    2. 骨折
    3. 脱臼
  4. 末梢神経損傷を伴う損傷
    1. 腕神経叢麻痺
    2. 骨折
    3. 脱臼
  5. 脱臼骨折
    1. 肩関節脱臼骨折
    2. 肘関節脱臼骨折
    3. 股関節脱臼骨折
    4. 足関節脱臼骨折
  6. 外出血を伴う損傷
    1. 開放性骨折
    2. 開放性脱臼
  7. 病的骨折および脱臼
    1. 病的骨折
    2. 病的脱臼
  8. 意識障害を伴う損傷
    1. 頭蓋骨骨折
    2. 脳挫傷
    3. 外傷性クモ膜下出血
    4. 急性硬膜外血腫
    5. 急性硬膜下血腫
    6. 急性脳内血腫
    7. 慢性硬膜下血腫
  9. 脊髄症状のある損傷
    1. 頸椎損傷
    2. 非骨傷性頸髄損傷
    3. 胸椎,腰椎損傷
    4. 非骨傷性胸椎,腰椎部脊髄損傷
  10. 呼吸運動障害を伴う損傷
    1. 胸部外傷
  11. 内臓損傷の合併が疑われる損傷
    • 骨折
      1. 肋骨骨折
      2. 骨盤骨折
    • 脱臼
      1. 胸鎖関節脱臼
      2. 股関節脱臼骨折
  12. 高エネルギー外傷
    1. 外傷性ショック
    2. 播種性血管内凝固症候群(DIC)
    3. 脂肪塞栓症候群(FES)
    4. 深部静脈血栓症(DVT),肺血栓塞栓症(PTE)

序文

 従来の医療モデルは、最初に医師が患者に対応し、その後、他の医療スタッフに照会するという形式である。しかしながら救急現場や、スポーツ外傷の現場では、医師や理学療法士、看護師等が一人で医学チームの役割を担う場合がある。もちろん柔道整復師もこの中に含まれる。それぞれの専門家は複数の分野における知識と技術を向上させる必要があり、いわゆるこのマルチスキルは専門家が一人しかいない場合は特に重要である。そのため医学チームの全員が自分の力量と限界を認識し、お互いに患者の治療に最適な環境をつくり上げていく必要がある。医師も柔道整復師も最初に患者に接した場合には、適正な病態の把握が重要であり、適切な初期治療の後、必要な場合は、早急にほかのメンバーや医療機関への照会が求められる。
 適正な病態の把握は、診断、治療に密接し、その後の身体活動、日常生活活動に大きな影響を与える。これらは柔道整復師のみならず整形外科医を含めた医学チーム全体に求められるものである。運動器疾患における急性外傷は言うに及ばず、腰痛、背部痛を主訴とする慢性疾患、変性疾患や、炎症性疾患、腫瘍性疾患、さらには神経障害、循環障害、意識障害等、初期対応が生命の危険にも影響する病態が存在することを十分に認識する必要がある。
 本書を執筆するにあたり、病態の説明と放置した場合の合併症、危険性を併せて記述した。柔道整復師を目指す方々や柔道整復教育の発展に少しでもお役に立てれば幸いである。
 医療現場における柔道整復師の役割は、多岐にわたり、重要性は高い。今後も整形外科医を含めたチームスタッフとの連携が重要である。柔道整復師と整形外科医が連携して、運動器疾患の治療にさらなる貢献ができるよう願っている。
 最後に執筆にあたりご指導、ご援助を頂いた全国柔道整復学校協会の先生方、南江堂の担当者各位に厚くお礼を申し上げる。

2019年2月
有沢 治

施術の適応と医用画像の理解

  1. 柔道整復術の適否を考える
    • 施術の適応判断の必要性
    • 適応の判断
      1. 患者安全の確保
      2. 外傷の施術適応の判断
      3. 外傷か疾病かの判断
      4. 適応を判断する手順
    • 柔道整復術非適応が疑われる症状と所見
      1. 局所の診察で注意すべき徴候
      2. 全身状態の確認で注意すべき徴候
  2. 損傷に類似した症状を示す疾患
    • 内臓疾患の投影を疑う疼痛
      1. 損傷に類似した症状を示す患者の判断と対応
      2. 背部の痛み
      3. 胸部の痛み
      4. 腹部の痛み
      5. 肩の痛み
      6. 上肢の痛み
    • 腰痛を伴う疾患
      1. 腰痛を伴う疾患
      2. 腰痛を訴える患者の判断と対応
      3. 腰痛の注意事項
    • 化膿性の炎症など
      1. 化膿性炎症などが疑われる患者の判断と対応
      2. 急性化膿性骨髄炎
      3. 皮膚の細菌感染症
      4. 結晶誘発性関節炎
    • 軟部組織の圧迫損傷(褥瘡)
      1. 褥瘡
      2. 褥瘡の予防と対応
  3. 循環の生理学
    • 血流障害が疑われる場合の判断と対応
    • 骨折
      1. 上腕骨顆上骨折
      2. 大腿骨顆上骨折
    • 脱臼
      1. 肩関節脱臼
      2. 肘関節脱臼
      3. 膝関節脱臼
  4. 末梢神経損傷を伴う損傷
    • 末梢神経損傷が疑われる場合の判断と対応
      1. 橈骨神経麻痺
      2. 正中神経麻痺
      3. 尺骨神経麻痺
      4. 総腓骨神経麻痺
      5. その他の神経麻痺
      6. トリックモーション
    • 骨折
      1. 上腕骨骨幹部骨折
      2. 上腕骨顆上骨折
      3. 脛骨顆部・腓骨頭骨折
      4. その他の骨折
    • 脱臼
      1. 肩関節脱臼
      2. 肘関節脱臼
      3. 膝関節脱臼
      4. その他の脱臼
    • 骨折・脱臼に伴わない末梢神経損傷
      1. saturday night palsy
      2. リュックサック麻痺
      3. 正座などによる総腓骨神経麻痺
    • 外固定に起因する末梢神経損傷
      1. 鎖骨骨折・肩鎖関節脱臼の固定
      2. 上肢の固定
      3. 下肢の固定
      4. 外固定による末梢神経損傷の予防
  5. 脱臼骨折
    • 脱臼骨折が疑われる場合の判断と対応
    • 脱臼骨折
      1. 肩関節脱臼骨折
      2. 肘関節脱臼骨折
      3. 股関節脱臼骨折
      4. 足関節脱臼骨折
  6. 外出血を伴う損傷
    • 外出血がある場合の判断と対応
      1. 開放性骨折
      2. 開放性脱臼
      3. 皮膚・筋損傷
    • 骨折
      1. 開放性骨折
      2. 骨折部付近の創傷
    • 脱臼
      1. 開放性脱臼
      2. 脱臼関節付近の創傷
    • 軟部組織損傷
      1. 皮膚損傷
      2. 開放性筋損傷
  7. 病的骨折および脱臼
    • 病的骨折および脱臼が疑われる場合の判断と対応
    • 病的骨折
      1. 骨嚢腫による骨折
      2. がんの骨転移による骨折
    • 病的脱臼
      1. 麻痺性脱臼
      2. 拡張性脱臼
      3. 破壊性脱臼/li>
  8. 意識障害を伴う損傷
    • 頭部外傷の症状
      1. 軽度な頭部外傷
      2. 重度な頭部外傷
    • 意識障害がみられる場合の判断と対応
      1. 脳振盪
      2. 軽度の意識障害
    • 骨折
      1. 脳頭蓋の骨折
      2. 脳損傷を伴う危険のある骨折
    • 脱臼
      1. 頭部の脱臼
      2. 脳損傷を伴う危険のある脱臼
    • 軟部組織損傷
      1. 頭部・顔面部の打撲
      2. 脳損傷を伴う危険のある頸部損傷
  9. 脊髄症状のある損傷
    1. 完全損傷
    2. 不全損傷
    • 脊髄症状がみられる場合の判断と対応
      1. 中心性脊(頸)髄損傷
      2. 脊髄空洞症
      3. 脊柱管狭窄症
    • 骨折
      1. 頸椎の骨折
      2. 胸椎・胸腰椎移行部・腰椎の骨折
      3. 非骨傷性頸髄損傷
    • 脱臼
      1. 頸椎の脱臼
      2. 胸椎の脱臼
      3. 胸腰椎移行部の脱臼
    • 軟部組織損傷および疾患
      1. 中心性脊(頸)髄損傷
      2. 脊髄空洞症
      3. 脊柱管狭窄症
  10. 呼吸運動障害を伴う損傷
    • 異常呼吸がみられる場合の判断と対応
    • 骨折
      1. 頸椎の骨折
      2. 胸椎の骨折
      3. 胸部外傷
    • 脱臼
      1. 頸椎の脱臼
      2. 胸椎の脱臼
      3. 胸鎖関節脱臼
    • 軟部組織損傷
      1. 胸部打撲
  11. 内臓損傷の合併が疑われる損傷
    • 内臓損傷が疑われる場合の判断と対応
      1. 肝損傷を疑う患者
      2. 腎損傷を疑う患者
      3. 膀胱・尿道・直腸損傷を疑う患者
    • 骨折
      1. 肋骨骨折
      2. 骨盤骨折
    • 脱臼
      1. 股関節脱臼骨折
    • 軟部組織損傷
      1. 小児の胸部打撲(心臓震盪,心室細動など)
      2. 体幹部の軟部組織損傷
  12. 高エネルギー外傷
    • 高エネルギー外傷患者の判断と対応
    • 骨折
      1. 多発骨折
      2. 粉砕骨折
    • 脱臼
      1. 多発脱臼
      2. 複数脱臼
  13. 神経の基本的機能
    • 医用画像とは
    • 放射線の概要
      1. X線の発見
      2. X線の特性
    • X線発生装置の概要
      1. 基本構造
      2. 発生するX線の種類と特徴
    • 主要な部位の一般撮影法
      1. 骨・関節のX線像に求められる事柄
      2. 体位
      3. 撮影方向
      4. 撮影の実際
    • 画像のデジタル化
      1. デジタル画像システムの実際
      2. デジタル画像の形成
      3. デジタル画像の応用
    • X線CTの概要
      1. CTの原理
      2. CT画像の特性
      3. CT撮影の実際
    • 磁気共鳴検査の概要
      1. MRIシステムの装置構成
      2. 核磁気共鳴の原理
      3. MRIの画像形成方法
      4. 各種撮像法
      5. MR検査の手順
      6. MR検査の留意点
      7. 画像の比較
    • 超音波画像装置の概要
      1. 原理
      2. 装置
      3. 超音波画像検査の特徴
      4. アーチファクトの実際
      5. 運動器系の画像
    • 核医学検査の概要
      1. 概要
      2. 測定装置
      3. 臨床画像の実際

序文

 近年、医療界が置かれている環境は、少子高齢化、高度な医療技術の開発、多様化した医療提供の場などで大きな変化がみられる。また、医療に対する国民の希求は、安全・安心の重視、質の重視へと方向が転換してきている。一方、医療従事者の間でも患者個人の価値観の多様化に対応して、患者およびその家族の意思の尊重、QOLの重視といった認識が広まっている。こうした変化に伴い柔道整復師にも一層の資質向上が求められている。そのような中、平成28(2016)年に公表された厚生労働省の「柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会」の報告書では、教育に必要な総単位数の引き上げに伴い、専門分野の教育内容に「柔道整復術適応の臨床的判定(医用画像の理解を含む)」が加えられた。追加の目的は「新たに追加する『柔道整復術の適応』で得た知識を活用し、臨床所見から判断して施術に適する損傷と、適さない損傷を的確に判断できる能力を身に付け、また、安全に柔道整復術を提供するため、医用画像を理解するため」としている。
 柔道整復師の施術を求めて訪れる患者には、非外傷性の疾患も含まれている。これらを適切に除外するだけでなく、外傷でも柔道整復術では対応しきれないものは除外しなければならない。柔道整復師は適応する損傷に対して質の高い柔道整復術を提供するだけでなく、その特徴、限界を知り、症状や所見から適否を厳密に判断して、最適な治療環境が選択できるよう支援することも重要な使命の一つである。
 本書の前半の記述では、外傷に類似した症状を示す疾患の判別や外傷に潜んでいる危険な徴候を列挙し、日常業務で患者を危険に曝さない能力の獲得に主眼を置いた。主たる目的は、危険な徴候の発見であり、疾患名および損傷組織の特定や損傷状態の確定ではない。
 本書の後半では、近年柔道整復の現場で利用される機会が増加している「超音波画像診断装置」の理解を念頭に、様々な医用画像機器で画像が成立する基本的な原理を記述し、それぞれの画像の特性や判断における要点について記述している。
 各種画像診断装置の性能が向上し、施術に関する判断の参考にするうえでの有用性が高まっている一方で、とくに超音波画像診断では習熟した医師でも結果の判断には非常に難しい部分があり、柔道整復師が判断する場合には、更に誤った認識につながる懸念が払拭しきれていない。結果を判断の参考にする場合には、その危険性についてとくに留意が必要で、安易な判断はかえって危険性が高まることを認識していなければならない。
 本書が、柔道整復業界並びに柔道整復師教育の健全な発展に少しでも寄与することができれば幸いである。
 本書の執筆に際して、貴重なX線画像の提供とご懇篤な指導を賜りました、矢島整形外科院長矢島秀世先生、CT画像ならびにMRIを提供いただいた、埼玉精神神経センター様、医用画像撮影の施設を提供いただいた、呉竹メディカルクリニック院長有沢 治先生、診療放射線技師本合祥哲氏、大野裕介氏、理事長坂本 歩先生、超音波画像の提供とご指導を賜りました、むさしの整骨院院長新井達也氏に心から感謝の意を表します。

2019年2月
細野 昇

競技者の外傷予防

  1. 運動生理学の概要
    • 運動が生体に与える影響
    • 運動とエネルギー代謝
    • 運動と骨・筋肉
    • 運動と呼吸・循環
    • 運動とホルモン
    • 競技者の運動生理学的特徴
  2. 競技者の外傷予防ーー概論
    • 競技者の外傷予防の概要
    • 外傷の発生要因
    • 外傷の予防対策
  3. 競技者の外傷予防のための実技
    • メディカルチェック―評価と測定
    • 外傷予防に必要なコンディショニングの方法と実際
  4. 種目別の外傷予防とその実際
    • 柔道における肩関節の外傷予防
    • 水泳における体幹の傷害予防
    • バスケットボールにおける膝関節の外傷予防
    • サッカーにおける足関節の外傷予防
    • 成長期の外傷予防
    • 高齢者の外傷予防(髙橋康輝)

序文

 柔道整復師は多くの競技者にとって、もっとも近い医療関係者であるといっても過言ではありません.一度もけがをしたことがないという競技者は少なく、多くの競技者は接骨院や鍼灸院、整形外科に通院経験があり、多くの柔道整復師に出会い、治療だけでなく話をした一言ひとことに影響を受けていることでしょう。学生の皆さんも同じように影響を受けて、今この本を読んでいるのかもしれません。
  2018年の柔道整復師新カリキュラムが制定されるにあたり、競技者特有の外傷・障害に対し、治療・施術を行うだけでなく、予防対策を学び実践していくことが時代の流れとして求められています。  これまで柔道整復師の役割は、競技者を治す・治せることが一番と考えられがちであったと思いますが、一度接骨院に来院した競技者が、受傷した外傷を自ら理解し、セルフコンディショニングなどを行って二度と受傷せず来院しないほうがわれわれの業務としては幸せなことだと思います.何度も来院して接骨院の常連になることは、競技者は本来望んでいないはずです。ですから、柔道整復師には外傷の治療で来院した競技者に外傷予防や再発予防トレーニングなどを実施できるような知識・技術を獲得し、開業した際にはそのようなトレーニングが可能な新しいスタイルのハイブリッドな施設となるよう目指していってほしいと考えます。
 学生時代は国家試験に合格するため多くのことを覚え学んでいきますが、教科書に書いてある内容は正しいものとは限りません。本書に記載した内容も今現在は正しいと思いますが、10年後には新しい知見が報告され、異なる方法のほうが優れている、あるいは外傷予防にはこのような方法が効果的であるなどと変わっていくこともあるでしょう。日々多くの研究者や現場で活動している方々が悩み苦しみながら競技者と一緒に外傷予防に関し考え、実践しています。時代とともに医学・科学は進歩していくのです。競技者、患者のために常に最先端の知識に目をくばり、自らの目で正しいことを取捨選択し、競技者を正しい情報、知識のもと全力でサポートしていってほしいと考えます。
 本書は学生が教科書として使用するだけでなく、卒業後も活用できる内容を目指して執筆いたしました。卒業後もデスクの片隅に置き、役立てていただければ著者としてうれしく思います。
 最後に執筆にあたり、多くの意見を交換しご助言をいただきました医歯薬出版編集部、執筆・写真撮影に協力をしてくださった競技者の皆様や関係大学の先生方、このような機会をいただきました公益社団法人全国柔道整復学校協会・教科書委員会の皆様に深謝いたします。

2019年2月
著者

社会保障制度と柔道整復師の職業倫理

  1. わが国の社会保障
    • 社会保障とは
    • 社会保険制度とは
    • 医療保険制度とは
  2. 柔道整復師業務における療養費
    • 療養費制度の概要
    • 療養費請求のケーススタディ
  3. 職業倫理
    • 医療従事者の職業倫理
    • 柔道整復師に必要な基本的倫理観と患者への対応
    • 柔道整復師の社会的責任と対応
    • グループ・ディスカッション事例
    • 医療における情報と責任
  • 職業倫理資料
  • 参考資料

序文

 柔道整復師として「医療人としての質を確保(quality assurance)」することは非常に重要である。
 平成27(2015)年12月11日から平成28(2016)年9月16日の間、厚生労働省において5回にわたる柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会が開催され、国民の信頼と期待に応える質の高い柔道整復師を養成するためのカリキュラム、臨床実習の在り方などを検討した。その結果、平成30(2018)年4月入学の柔道整復師養成施設学生から新しいカリキュラム(99単位2、750時間以上)が実施され、「柔道整復術適応の臨床的判定(医用画像の理解を含む)」「高齢者の外傷予防」「競技者の外傷予防」などとともに、本書が扱う「社会保障制度」「職業倫理」も新設された。
 また、臨床実習も4単位(45時間×4)と大幅に増える。以前のカリキュラムにおける臨床実習は、柔道整復師養成施設付属接骨院内で行い、外部での臨床実習は認められていなかった。単位も1単位(15~45時間)であった。
 今回のカリキュラム改定で臨床実習の時間数と内容を見直した背景には、多くの養成施設付属接骨院は患者数も外傷性の臨床例も少ないということがある。そのため、柔道整復術の適応、柔道整復療養費の支給申請に係る現場での手順や支給申請内容の理解が難しいということから、より多くの施術所での臨床実習が行われることとなった。
 このようにして、新カリキュラムでは学生の時から「医療経済」「柔道整復療養費受領委任の取扱い」などを養成施設と柔道整復の現場で学び、医療人としての質を確保(quality assurance)していくことを目指している。接骨院内での事故や事件が起こらないような対策を講じることも重要なことである。
 さて、本書はこのような新カリキュラムの目的に合わせて編集された。
 新カリキュラム「社会保障制度」(1単位15時間)の目的は、「柔道整復師は開業することが可能であり医療費等の医療経済を含む社会保障制度を理解すること」にある。また、「職業倫理」(1単位15時間)は、「免許取得後すぐに開業する者も一定数いる」ために設けられた。
 これらを踏まえ、第1章「わが国の社会保障」では、「社会保障」「社会保険制度」「医療保険制度」について解説いただいている。柔道整復師にも関係の深い社会保障制度の基本を学ぶとともに、わが国における医療保険制度や医療経済の現状に関する知識を深めてほしい。第3章の「職業倫理」では「医療従事者の職業倫理」「柔道整復師に必要な基本的倫理観と患者への対応」「柔道整復師の社会的責任と対応」等をさまざまなケースをあげて学習する内容となっている。実際に柔道整復師として働く姿を想像しながら、事故や事件を起こさないためにどのような対応が望ましいか考えながら学生同士で議論してもらいたい.第2章では「柔道整復師業務における療養費」について現状に則して解説した。柔道整復療養費の支給申請がどのようなものか、臨床実習に出た際の一助となれば幸いである。
 最後になるが、学生の皆さんには、インフォームド・コンセント(informed consent:説明と同意)や患者中心の医療(patient-centered approach)についても柔道整復医療の現場をみて、柔道整復師の立場、患者の立場双方からのリスクのマネジメントができる人材として成長することを期待したい。

2019年2月
著者を代表して 長尾 淳彦